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真・こことは違うどこかの日常  作者: カブト
過去(高校二年生編)
43/199

第五話 『心友と戦友と』 その3

「俺を殺してくれ」


 すべてが終わった時、妖精は横に立つ一匹の雌狼にポツリと呟いた。

 

「やっと終わった。やっと討ち取ったよ。これで心おきなくゆっくりと眠れる。」


 満身創痍のボロボロの体。

 身に纏う黒い戦闘用コートはほとんど襤褸切れと化していてその用をなしておらず、その下に着用している白いレザーアーマーにはあちこちに何かの獣の爪痕と見られる物がいくつも走って血で出来た紅の線をいくつも作っていた。

 コートやアーマーから見えている腕や首、顔など地肌の見える部分で傷がないところは一つもなく、それどころか左腕と右足は肘と膝から先がなくなってしまっている。

 幸か不幸か、妖精の両手両足は義肢であったため、斬り落とされていてもそれが致命傷になることはないのだが、それでもひどい状態であるのは間違いなかった。

 そんな状態で力なく地面にその身を横たえた妖精は、首を横にまわして自分が、いや、自分達が成し遂げた復讐の成果をぼんやりと見つめる。

 小さな妖精の視線の先にあるのは巨大な一匹の獣の亡骸。

 五百年前、驕れる浮かれる『人』類に裁きの鉄鎚を下すために、『世界』そのものがこの世に解き放った断罪者『害獣』達の中の一匹。

 どこかの巨大神殿を支えている支柱のごとき大きな八本の足を持つ、サイのような姿をした化け物。

 二十メトルを越える巨体を存分に駆使して近隣の村や都市を襲い、あまたの災厄をこの世に振り撒き続けてきた呪われし生き物。

 このバケモノに奪われた命は数知れぬ。

 平和に暮らしていた一般の人々は勿論、彼らを守ろうとした村や都市の守備兵達も、このバケモノを討伐しようとした腕利きの傭兵達も。

 その中には妖精の両親や、妹、友達がいた。

 優しかった両親、おとなしくてかわいかった妹、いたずら好きだった友達。

 『害獣』は妖精の大事な全てのものを呑み込んで破壊した。

 許せなかった、許すわけにはいかなかった、そして、許されてはいけなかった。

 例えどんな理由があったとしても、例え相手にどれだけ正当性があったしても。

 だからこそ妖精は復讐の刃を握った。

 一方的に虐殺されてしまった一族の無念を晴らすために、自分と同じように嘆き苦しみ続ける生を歩まねばならない者達をこれ以上増やさせないために。

 そして、妖精はついに、復讐を果たしたのだ。

 長い長い旅路の果てに。

 右腕を失い、左腕を失い、右足を失い、左足を失い、両腕両足が全て義肢に変わり果てても、妖精は決して諦めずに仇を追い続け、そして、宿願を果たした。

 倒すことは絶対に不可能、ただ、通り過ぎるのをただただ黙って見送るしかないと言われた不可侵の相手を、妖精はかけがえのない戦友達の手を借りてついに討ち取ったのだ。

 長い長い、途中何度も逃げ出したくなるほど辛く厳しく悲しい激闘の果てに・・

 

「疲れた・・本当に疲れた。もういい、何もかも本当にもういい、もう十分だ。これで胸を張って父さんや、母さん、妹や友達がいる場所にいける」


 両の目から熱い涙をはらはらと流して仇敵の亡骸を見つめながら、妖精は隣に立つ彼の最大の理解者である雌狼に語りかける。

 六つの時に目の前で一族郎党を皆殺しにされ、たった一人生き残ってから十年。

 いつの日か必ず仇をとる、いやとって見せると心に誓い、ずっとその『害獣』と戦うために牙を研ぎ続けてきた。

 自分に宿る闘志は果てない。

 そうずっと思い戦ってきた妖精。

 しかし、思いを遂げた今、もうその闘志は必要ない。

 いや、それどころか残りの人生すら必要とは思えなかった。

 自分はこの日の為に生きてきたのだ。

 絶対に自分は誰にも傷つけられない、誰にも倒されるはずはないと思い、本能のままに暴虐の限りを尽くすあの畜生の首筋にこの牙を突きたてるために。

 奴に無残に殺された人々の悲しみと、憎しみと、そして、怒りのありったけをその牙にのせ、奴の喉笛をかっきるために。

 そして、それは見事に果たされた。

 もう二度と、この暴虐の徒が眼を覚ましてこれ以上の悪夢を作り出すことはない。

 少なくとも目の前で地獄に落ちたこの畜生の手によって妖精と同じ想いをする者は出ることはないのだ。

 復讐は果たされた、そして、妖精がこの世に留まり続ける理由もなくなった。

 血にまみれ、屈辱にまみれ、過去の怨念と憎悪をその身に宿らせて生き続ける必要はもうない。

 ただただ眠りたかった、厳しいけれど優しかった父や、穏やかで美しかった母や、かわいい妹や、一緒に森を駆け巡った友のいる場所に自分もいきたかった。

 

「頼む、もう眠らせてくれ。できればおまえの手で俺を両親や、妹や友のいる場所に送ってほしい」


 妖精は自分が最も心を許している雌狼に嘆願する。

 彼が最も信頼しているのは復讐を手伝ってくれた黒髪の人間の少年だったが、その心を許し愛しているのは目の前に立つ美しい白銀の獣毛の雌狼だった。

 『人』型の種族である妖精族の彼とは違い、雌狼は『獣』の姿形をした全く違う種族。

 復讐に固執し、血と泥にまみれ闇の中を這いずりまわる彼とは違う。

 彼女が属する狼獣人族の中にあっても一際大きく強く、そして美しく輝く次代の『巫女』。

 弱きものに優しく、強きものに厳しく、高潔な精神を持つ生き物。

 そんな彼女に妖精はいくどとなくその命を助けられ、いくどなくその心を救われてきた。

 ここまで来ることができたのは彼女のおかげと言っても過言ではない。

 どれだけ彼が断っても彼女は頑としてそれを聞かず、彼について彼を助けてくれた。

 両手、両足を『害獣』に食われた時、彼が死なずにすんだのは常に彼の側に彼女がいてくれたから。


 一族を失い、行き場を失った彼を引き取ってくれたのは、名のある狼獣人族の戦士の夫婦。

 その夫婦の一人娘が彼女だった。

 彼女は、自分達とは全く違う種族の集落で暮らすことになり、その生活習慣になかなか慣れることができず戸惑い続ける妖精になにくれとなく世話を焼き、支えてくれた。

 いやそればかりではない、成長した彼が復讐の為に旅に出ようとこっそりと狼獣人達の集落をあとにしたとき、何も言わずに一緒についてきてくれたのだ。

 もちろん、彼の復讐を手伝うためだった。

 以来、ずっと彼女は影になり日向になって彼を支え続けてくれている。

 

 だが、もういいのだ。もう一緒についてくる必要はない。

 彼女は自分の一族の元に帰り、自分は一族の者達が待つ天へと還る。

 それでいい。いや、それがいい。

 

 そう思って妖精は横に立つ愛しい雌狼に視線を向けるが、雌狼はどこか怒ったような、それでいて呆れて果てているような視線でこちらを見続けており、むっつりと口を閉じて開こうとしない。

 妖精は自分の願いが叶えられそうにないことを悟ると、大きく一つ溜息を吐き出す。


「それが無理ならこのまま俺を放置しておいてくれ。見ての通りのこの傷だ、放っておいてくれれば失血でいずれ死ぬ。おまえは、連夜達と一緒に『嶺斬泊』にもどれ。そして、『巫女』としての務めを果たせ。今日まで頼りない俺を支えてくれてありがとうな、アルテミス。おまえは弱い奴を放っておけない性格だ、だから今日まで俺についてきてくれたんだろ? でももういいんだ。もう俺を助ける必要も支えてくれる必要もない。今まで本当にありがとうアルテミス」


 万感の思いを込めて自分の想いを口にする妖精。

 そんな妖精の姿をなんとも言えない表情でじっと見つめていた雌狼であったが、ふと別の視線を感じそちらに顔を向け直す。

 すると、二人からちょっと離れた場所に黒髪黒目の同じくらいの年齢の人間族の少年が立っているのが見えた。

 少年は雌狼と同じように、怒ったような、それでいて呆れたような表情で地面に横たわる妖精の姿を見つめ続けている。

  

「連夜、このバカチン、こんなこと言ってるんだけど」


 本当に呆れ果てたというような口調で雌狼が人間の少年に話しかけると、人間の少年はさもありなんと深く頷いてみせる。


「究極のバカだね。馬鹿すぎて何も言えないんだけど」


「どうしたらいいと思う?」


「いや、どうしたらも何も、さっき『殺してくれ』ってアルテミスに言ったよね、そこの大バカ者くんは」


「うん、言った。それで困ってる」


「なんで? 困る必要ないじゃない」


 心底困るという表情で雌狼が溜息を吐きだすのを、逆に少年は不思議そうに見つめて問いかける。


「まさかと思うけど、望みどおり殺してやれっていうんじゃないでしょうね?」


「いいや、そのまさかだよ。望みどおり殺してやれば」


「連夜!!」


 あっさりと非情な言葉を吐きだす人間の少年に、雌狼は本気で激昂してその獣毛を逆立てる。

 しかし、人間の少年はそれに全く動じることなく、むしろ無邪気な笑顔を浮かべてみせると、お気楽そうに片手をひらひらとさせて言葉を紡ぐのだった。


「いいじゃない、殺してやれば。『害獣』に滅ぼされた深緑森妖精族最後の生き残りで、怨念の結晶であるクリス・クリストル・クリサリス・クロスロードを殺してやればいい。というか、彼を殺せるのはアルテミスだけだと思うよ。クリス・クリストル・クリサリス・クロスロードを殺して、本当の意味でクリス・クリストル・クリサリス・ヨルムンガルドに新生してあげられるのはね」


 人間の少年が語る言葉をしばらくの間ぽか~んとして聞いていた雌狼であったが、その言葉の意味を正確に把握すると一瞬にしてその怒りを鎮静化させる。

 そして、その白銀の顔を羞恥で真っ赤に染めるとモジモジしながら、その視線を人間の少年と妖精の間でいったりきたりさせる。


「あ、あの、それってつまり、その」


「別に今すぐってことじゃないよ。クリスだって、仇を討つのに何年もかかったんだ。アルテミスも焦ることなく時間をかけて殺してやれば・・」


「そんなの待っていられない。今すぐ殺す」


「え?」


 何かを悟りきったような表情で語りかけてくる人間の少年の言葉をバッサリと途中で打ち切った雌狼は、妙に何かを覚悟したような表情になって地面に横たわってぐったりしている小柄な妖精の少年の身体を横抱きにしてひょいと持ち上げる。


「え? え! ちょ、ちょっと待ってアルテミス。あのね、落ち着いて聞いてほしいんだけど、僕は別に今すぐどうこうということを言おうとしたんじゃなくてね・・」


 雌狼が何をしようとしているのかいち早く気がついた人間族の少年は、慌てて雌狼のほうに駆け寄ってその行動を止めようとするが、雌狼は妙に血走った視線で人間の少年をギラリと睨みつけて威嚇する。


「私は十分待った。うちにクリスが引き取られて来てから十年。ずっとずっと私は待った。クリスの復讐が終わるのを、クリスの中に凝り固まっているいろいろな何かが終わるのをずっと待っていた。だから・・もはや問答無用!!」


「いや、問答無用すぎるから!! ってか、決断はやっ!! 僕らまだ未成年だから、もうちょっと落ち着いて考えてよ、お願いだから!!」


「大丈夫。『嶺斬泊』の都市条例で女の子が結婚できる年齢は十六歳だけど、うちの部族の掟では十三歳以上で結婚可だから」


「いやいや、そういうことじゃなくてね・・って、なにこの手?」

 

 妖精族の少年を片手で横抱きにした状態で、大きな手を人間族の少年のほうに差し出してくる雌狼。大きな掌にあるピンク色の肉球を見て気持ちよさそうだなあ、なんて暢気なことを思っている人間族の少年に、ずいずいと掌を押しだして催促を繰り返す。


「『回復薬』ちょうだい」


「『回復薬』って・・本気なのね」


「私はいつでも本気。何かあったら困るからクリスが受けている傷を最低限は回復しておきたい」


「ああ、そう」


 相変わらずギラギラと血走った目で見つめてくる雌狼の姿を見て、やたらぐったりと疲れ果ててしまった人間族の少年は、もそもそとコートの内ポケットを探って緑色の液体が入った瓶を取り出して渡す。


「確かに煽った僕が悪いんだけどさあ、もう一度考え直さない? いや、個人的には大賛成なんだけど、いろいろと世間体というか、アルテミスのご両親に申し訳がたたないというか」


「もう決めたことだから。それに両親には集落を飛び出すときに『クリスと生きていくから』って言ってある」


「あ~、そうですか・・」


 こりゃもう無理だなと、さらに肩を落とす人間の少年に、追い討ちをかけるように妖精族の少年が全然見当違いなことを口にする。

 

「止めないでくれ、連夜。アルテミスが決意してくれたことだ。今回のこと、本当に世話になったな、連夜。これだけ大きな借りを作っちまったというのに何一つ返せないままというのは本当に心苦しいが、今生ではこれでお別れだ。天界にある戦士たちの楽園(ヴァルハラ)からおまえのことを見守っているからな」


「いやいやいや、クリス、何言ってるの!? 君、本当に戦闘以外のことに関しては鈍いね、鈍チンだね!! 自分が今から何されようとしているか全然気がついてないよね!?」


「え? 一応トドメを刺されるために連れていかれるんだよな?」


「いや、うん、まあ、そうね。男としてトドメを刺されちゃうよね。多分。ってか、もう知らんわ、好きにしてよ」


 完全に説得を諦めた人間の少年は、妖精族の少年と雌狼が森の奥に消えていくのをなんとも言えない表情で見送り、溜息を大きく一つ吐き出す。

 そして、二人が消えた方に背を向けた人間族の少年は、巨大『害獣』との戦闘の後始末のためにこちらに仲間達がやってこようとしていることを気がついて慌てて大声を張り上げるのだった。


「みんな、しばらくこっちに来ちゃダメ~~ッ!! こっちから先は立ち入り禁止!!  絶対禁止!! もどってもどって!! って、あ~、もうもう、なんで僕がこんなことしなきゃいけないのさああああっ!!」






 そして、そのときから一年と数カ月後の時が流れ、舞台は『害獣』との死闘を演じた『不死の森』からすぐ近くにある城砦都市『嶺斬泊』内部に移る。





 都市内東エリアの西の片隅にある都市立御稜高校の第三校舎の屋上。

 

 そこにある給水塔の上に胡坐をかいて坐った朱雀族の少年フェイは、黒髪黒眼の人間族の幼馴染が語る一大冒険譚を手に汗を握って一心に聞き続けていたが、やがてその話が終わると同時に一気に力を抜いて息を吐きだした。


「そうか、一年前にあったあの『貴族』クラスの『害獣』討伐にはそんな経緯があったのか」


「うん、あれは一人の妖精族の少年の復讐の物語であり、同時にそんな彼に心を奪われた一人の狼獣人族の少女の愛の物語だったんだ」


「・・ちょ、待ておまえら」


 遠くを見つめながら感慨深げに呟く連夜のほうを見詰めたフェイは、何度も深く頷きを返す。

 途中、横からなんだか物凄い羞恥心でいっぱいの第三者の声が聞こえてくるような気がしたが、二人はあえてそれを黙殺して話を進める。


「なるほど~。いや、新聞や雑誌やテレビで討伐されたことそのものは大々的に報道されてはいたが、その内容は傭兵集団の『暁の旅団』がいかに活躍したかとか、近隣諸都市に住む狼獣人族が全員一丸になって加勢したとか、あるいは害獣にトドメを刺したっていう最強剣士『天剣絶刀(てんがあたえし)獅皇帝(まもりがたな)』の話とかばかりだったからなあ。まさかそんな深い話があったとは夢にも思わなかったよ。ましてや、連夜がそれに参加していて、しかも、討伐の要になったそのカップルと知り合いだったとはなあ」


「どうしてもほっとくことができなかったんだ。二人ともさ、滅茶苦茶不器用でさ。なんかもういろいろと意地になっちゃって、最後のほうなんかほとんどやけくそ気味だったからねえ。さっさと素直になればいいのに、男のほうは男のほうで、自分だけが幸せになるのは亡くなった一族のみんなに申し訳ないとか、男の意地がどうとか言ってるし、彼女のほうはせめて無事復讐を果たすそのときまで、自分の気持ちは封印してとかいじらしいこと言ってるし。特に彼女のほうなんてほんとにかわいそうなんだよ。あれだけモーションかけているのに、俺のことは忘れて幸せになってくれとかトンチンカンなこと言われちゃってさ。そういうつもりならさっさと見限ってるつ~の。なのにさ、一生懸命男に尽くすわけよ。いつ命を落とすかわからない危険な『外区』についていってだよ、男の為に食事作ってあげたりとか、洗濯してあげたりとか。もう、かわいそうでかわいそうで」


「なんか、報われない話だなあ」


「・・あ、あの、連夜? もしもし?」


 熱く語る連夜の言葉に、激しく同意して頷きながらもらい泣きなんかしちゃったりしているフェイ。

 途中、横からなんだか物凄いいたたまれない様子の第三者の声が聞こえてきているような気がしたが、二人はやっぱりそれを黙殺して話を進める。


「でもさ、ついに『害獣』を倒して復讐を果たしたそのときに二人はようやく結ばれたわけよ。あのときは本当に感動したなあ」


「うんうん。連夜はそんな二人をずっと見守ってきたんだもんな。ところで連夜、肝心の森の中で何があったのかのところを話してもらってないんだが」


「え~、そこのところは秘密なんだけどなあ。しょうがないなぁ。フェイは心友だから特別だよ? 二人には僕が話したってことは内緒にしてね。てへっ」 

  

「「『てへっ』じゃないわ!! いい加減にしろっ!!」」


 フェイの求めに応じて、連夜がとんでもない話を口にしようとしたそのとき、とうとうそれに耐えかねた二人が怒りの絶叫をあげる。

 

「あれ? クリスとアルテミスいたの?」


「いたのじゃね~~わっ!! 最初からいたわっ!! 人が昼寝している横でとんでもねぇ話を始めやがって!!」


「わ、私、恥ずかしくて死にそうだった」


「ごめんごめん、わざとじゃないよ、わざとじゃ」


「「うそつけっ!!」」


 無邪気な笑みを浮かべながら頭をかいてみせる連夜に詰め寄る男女のカップル。

 それは、連夜が今語った話に出てきた妖精族の少年クリスと、狼獣人族の少女アルテミス本人達であった。

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