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真・こことは違うどこかの日常  作者: カブト
過去(高校二年生編)
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第三話 お~ぷにんぐ

玉藻:「ねぇ、連夜くん。以前から聞きたいことがあったんだけど、ちょっと聞かせてもらってもいい?」


連夜:「はいはい、なんですか?」


玉藻:「今年から私、臨時保険医に就任して連夜くんの高校に一緒にいることができるようになったわよね」


連夜:「ええ、一緒にいられる時間が増えて本当によかったです」


玉藻:「うん、私もそう思う。そう思うんだけど・・」


連夜:「だけど? なんかあったんですか? ま、まさか、変な奴らに因縁つけられているとかですか? うちの高校って『害獣』ハンター目指している奴らが多いから他の高校に比べて格段に柄が悪いんだよなあ」


玉藻:「違う違う。連夜くん忘れているみたいだけど、私、この高校のOGなのよ。それについてはよ~くわかってるから。心配してくれるのはありがたいけど、不良生徒程度対処できないようじゃこの高校じゃやっていけないもの」


連夜:「そっか、そういえばそうでしたね」


玉藻:「ってか、そういう連中なら赴任初日から一週間のうちに問答無用で体育館裏に連れて行って、ほとんどフルぼっこに・・」


連夜:「・・え? た、玉藻さん、い、今、なんて仰いました?」


玉藻:「ううん、なんでもなんでもない!! そういうことじゃないのよ、私が不満に思っているのはそういうことじゃなくて・・」


連夜:「そういうことじゃないとすると、あっ!! 玉藻さんってすっごい美人だから、他の男性教師にモーションかけられているとかですか!? くっそ~、そんな教師がいるなら絶対許さない!! どんな手段を使ってでもブッ潰す!! そして、この学校から叩きだしてやる!!」


玉藻:「あん、怒った連夜くん、カッコいい!! そして、嫉妬してくれる連夜くん、超愛おしい!! って、違う違う。そうじゃないのよ。確かにモーションかけてくる『人』達がいなかったわけじゃないけど、全部きっぱり御断りしたし」


連夜:「あ、そ、そうですか」


玉藻:「うん、連夜くんの名前こそ出してはいないけど、ちゃんと婚約者がいるからって職員室で公表しておいたし、今はそういうのはないわよ」


連夜:「でも、やっぱり心配だから、できるだけ早く手を出してきた教師が誰なのか調べあげて、手を打っておこう・・ふっふっふ、僕の玉藻さんに手を出したらどうなるのか思い知らせてやらなくちゃね」


玉藻:「連夜くん、こわっ!! でもそんな黒い連夜くんも素敵、愛してる!! じゃなくてっ!! そうじゃないのよ、私が聞きたいのは私のことじゃないの、あなたのことよ、連夜くん!!」


連夜:「へ? ぼ、僕ですか?」


玉藻:「保険医になって同じ高校の中にいられるようになったのはいいんだけれど、学生にもどったわけじゃないし、ましてやあなたのクラスの担任になったわけでもないじゃない。お昼休みとか放課後とかはなんとか一緒に過ごすことができるからそこはいいんだけど、授業と授業の間の休み時間とか、授業中とかは一緒にいられないでしょ?」


連夜:「ええ、まあ、それは無理ですね。って、まさか、一緒に授業受けようと思っていらっしゃるんですか?」


玉藻:「いや、それは諦めたわ。学生服に着替えて潜り込もうとしたら、速攻でティターニア先輩に見つかって止められちゃったし」


連夜:「学生服に着替えてって、玉藻さん、どれだけアグレッシブなんですかっ!?」


玉藻:「先輩ったらひどいのよ。私のかっこ見て、『あんたはどこのAV女優だっ!?』って・・ぐすん」


連夜:「いや、玉藻さんてただでさえスタイル抜群のとんでもない美人だし、しかも大人の色気がむんむんしているんだから、そんな格好したらそうなりますよね」


玉藻:「ともかく、なんとかしてそういう時間も潜り込めないかなっていろいろ画策してみたんだけど、ことごとくティターニア先輩の妨害工作にあって挫折しちゃったのよ。先輩たら、『私だって、ナイトといちゃいちゃしたいのを我慢して仕事しているんだからね!! 昼休みや放課後ならともかく平時はしっかり仕事してもらいます。私の目の黒いうちは絶対にいちゃいちゃなんてさせるもんか!!』って、鬼みたいな形相でくどくどたらたらお説教してくるのよ。もう、いやになっちゃう」


連夜:「どう聞いても誰が聞いてもきっぱり玉藻さんが悪いと思いますけど・・」


玉藻:「ともかく!! 連夜くんの授業中やその合間の様子がわからない!! 私のいないところでどんな風に連夜くんが学校生活をしているのかがまったく見えない!! ってかね、もうぶっちゃけて聞くんだけどさ、連夜くん」


連夜:「は、はい、なんですか?」


玉藻:「誰かに迫られていたりしないよね?」


連夜:「・・え?」









 真・こことは違うどこかの日常


 過去(高校二年生編)


 第三話『姫龍と貴龍と黄龍』



 CAST


 宿難(すくな) 連夜(れんや)


 言わずと知れた本編主人公。

 都市立御稜高校に通う高校二年生。人間族。男性。十七歳。

 周囲のほとんどが敵という環境の中にありながらもそれに負けることなく逞しく日々を生きる。


「さて、今日も一日楽しく過ごせるといいな」


 

 

 龍乃宮(りゅうのみや) 姫子(ひめこ)


 連夜のクラスの委員長で、御稜高校が誇る最高にして最強のスーパーアイドル。上級龍族。女性。十七歳

 上級種族中の上級種族である龍族のお姫様でもある。

 連夜のことを最高の友達として慕っているが・・


「本当に連夜はいろいろとあるのう」




 龍乃宮(りゅうのみや) 瑞姫(みずき)

 

 姫子の腹違いの妹。上級龍族。女性。十七歳。

 姉の姫子に比べるとやや細身ですっきりしたスタイルの持ち主の美少女。

 以前、自分を助けてくれた『祟鴉(たたりがらす)』を慕う。


「あの方は私の騎士様なんです。白馬の王子様なんです。スーパーヒーローなんです」



 水池(みずち) はるか


 姫子と瑞姫に仕える二人組の従者の一人。中級龍族。女性。十七歳。

 ややぽっちゃり系。一見温和そうに見えるが、実は結構腹黒で策士。情報収集能力はピカイチ。


「だって宿難くんが間に入ったほうが何かと穏便に事が済むんだもの」



 東雲(しののめ) ミナホ


 姫子と瑞姫に仕える二人組の従者の一人。下級龍族。女性。十七歳。

 スレンダーな体系で、西隣にある城砦都市の方言『通転核(つうてんかく)』弁(関西弁)でしゃべる。武術の達人。


「いざとなったらうちら二人でなんとかするから、とりあえず、間に入ってや宿難はん」



 龍乃宮(りゅうのみや) 剣児(けんじ)


 姫子と瑞姫の腹違いの兄。上級龍族にして上位の王位継承権を持つ少年。上級龍族。男性。十七歳。

 御稜高校三大実力者の一人にあげられるほどの武術の達人であると同時に、三人の美少女達を恋人に持つハーレムマスターでもある。

 連夜の幼馴染。


「み、みんなお願いだから走りながら喧嘩するのはやめてくれ!!」



 (ルー) 緋星(フェイシン)


 剣児のことをライバル視する少年。朱雀族。男性。十七歳。

 龍族の三兄姉妹とは浅からぬ因縁があり、複雑な思いを抱いている。それがゆえに彼らの幼馴染である連夜のことを敵視しているのだが・・  

 三大実力者のうちに入ってはいないが、剣児に匹敵する武力の持ち主である。


「毎朝毎朝三人もとびきりの美少女を侍らせて登校してきやがって!! どこの王侯貴族様だ?」 









玉藻:「姫子ちゃんのことは聞いているし知ってはいるんだけど、な~んか、それ以外の気配を感じるのよ。それも複数の影を感じるというか・・」


連夜:「えっと、あの、その・・あっ、そうだ!! 玉藻さん、人物紹介終わったみたいですよ!? いつものやつそろそろお願いします。ほら、カメラ回ってます」


玉藻:「え? あ、あら、やだ。コ、コホン。皆様、お待たせいたしました。第三話『姫龍と貴龍と黄龍』どうぞ!!」













玉藻:「ふ~。ちゃんと映っていたかしら。一応メイクしておいてよかったわ~。って、そうじゃなくて、連夜くん、私の質問に対する答えはどうなったの!? あれ? 連夜くん? 連夜くん、どこ? ・・って、逃げやがったわねえええっ!! こらああっ、連夜くん、でてきなさ~い!!」 



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