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65.ボルテクス対策


 道のある所まで移動してからサヴァーと別れた。

 

「じゃあダンジョン攻略の依頼書は出しておくから」


 と言ってサヴァーは手を振った。

 口頭で直接サヴァーにダンジョン攻略を認めてもらった。ハルニレがいる事でギルドまで行くと騒ぎになると見越しての超法規的扱いになる。


「あんたはその格好で良いの?」ハルニレはヴォルクに訊いた。


「いえ、少し装備を付け足します」そう言ってヴォルクは持ってきた鞄を開けた。 

 そしていきなり上衣を脱ぎ出した。


「いや、ちょっと待って!」俺は慌てて目を逸らした。


「ユカラ殿、ここには女性しかいない。何を遠慮する事があろうか」

 ヴォルクは堂々と胸をはだけて見せびらかした。


「はい、視線じゃなくて体ごと背を向けようね」と言ってハルニレはビンタして俺を後ろに向けた。


「痛っ。なんでこんな目に」頬の痛みと同時にヴォルクの巨大な胸が脳裏に焼き付いて離れなかった。


「お嬢、何故そのような事を」


「ユカラはこんななりだけど男なの」ハルニレの口調には怒気があった。


「え。そういう趣味ですか」ヴォルクは少し慌てたように言った。

「随分と可愛い服装ですね」


「そう。趣味」とカンナは冷静に言った。


「いや、趣味じゃないし!」俺は憤慨して叫んだ。服装を決めたのはハルニレとカンナだ。ちなみにいつ脱皮しても良いように大人用の服も持ち歩いているぜ。



 着替えたヴォルクは武器も見せてくれた。


「槍か。あの鞄によく入ったな」俺は感心して言った。


「繋ぎ合わせる仕組みですね」そう言ってヴォルクは肢の部分を外してみせた。


 膝当てや肘当て、胴体にも装甲を付け加えた一般的な冒険者の格好になった。


「それで何処のダンジョンに行くのですか」ヴォルクは訊いた。


 宮廷に行く前に一度はサヴァーに依頼して断ったダンジョンに行く予定だと伝えた。


「シンアルの側ですか」ヴォルクは微妙な顔付きをして言った。大国のシンアルはこのゲヘナ国と隣国に位置する。


「何かあるのか」俺は訊いた。


「最も呪いの強いダンジョンとの噂です。近隣の村は呪いの影響でほぼ廃村になりました」


 ダンジョンの呪いとは町を襲ったレージーナの攻撃を広範囲におこなったものだ。カンナからその呪いが「ボルテクス」という魔法の一瞬だと聞いた。


「そういえばギルドの冒険者たちは全員ダンジョンに行ったとサヴァーは言っていたが‥‥」俺はふと思い出して言った。


「国からの御触れで憲兵も一部同行しています。ですが音沙汰がありません」ヴォルクは言った。


「ボルテクスがあるなら対策が必要になる」俺は言った。レージーナの時のようにクルクルに助けてもらうのは流石に無理だろう。


「ボルテクス対策なら当てがある‥‥かもしれない」カンナは唐突に言った。「ただ少し遠い」


「何処に行けば良いんだ?」俺は訊いた。


「神聖アガルタ帝国」とカンナは言った。


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