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58.気付薬


 町にレージーナが現れた時に勇者・カーカとニドはその光景を目の当たりにしていた。


「誰かが招き入れたな。壁の何処かに穴を開けたか、地下に穴を掘ったかしたのだろう」


 ニドは物陰に隠れて言った。


「レージーナはボルテクスを使う。視認できる位置にいるとやられるぞ」


「ボルテクス?」

 

 勇者・カーカは間の抜けた声を出した。


「ボルテクスは生命力を奪うスキルだ。逃げるぞ」


 レージーナが肉眼では確認出来ない位置まで撤退してからニドは物見櫓の上に登った。


「スター・グラス(遠隔視認)」


 ニドは顔の前で指を丸めその空間から町を眺めた。


「これはこれは」


「何だ? 何が見える?」勇者・カーカはボルテクスの影響を受けて物見櫓の上で倒れ込んだ。


「どこぞのパーティーがレージーナ狩りをしている。全員女だな」


 ニドは耳の後ろに手をあてて言った。「カンバセーション(集音増幅)」


 そしてニドはおもむろに笑いだした。


「なるほどね。アイツが王女・ハルニレか。他に女が二人、あとは妖狐か」


「何か分かったのか?」勇者・カーカは眠気と戦いながらやっと言った。


「お前が言っていたパーティーがレージーナを駆逐した。民衆から絶大な支持を得たらしいな」


 ニドは物見櫓の上で横たわる勇者・カーカを軽く蹴った。


「だらしないな。王女達は英雄扱いだというのに」


「体が動かない。何でお前はう、動ける?」


「スキルというより鍛錬だな。腹の下に生命力を隠す感じか。流石にレージーナの側に居たら無理だがな。そういえば弟子にも教えてなかった」


「弟子?」


「弟子というかな。破門したからもう弟子ではないか。たしかゲヘナにいるはずだ」そう言ってからニドは再び勇者・カーカを蹴った。


「うっ」とうめいて勇者・カーカは体を丸めた。


「チッ」


 舌打ちしてニドは荷物から丸薬を取り出して勇者・カーカの顔の前に落とした。


「それを飲めば回復する」 


 勇者・カーカは丸薬を掴んで口に放り込んだ。


「うぐっ、あああああああああ!」


 叫び出す勇者・カーカをまるで汚物であるかのように避けてニドは言った。


「なんだ? あ、間違えた。それ気付薬だ。まあ似たような物だから我慢しろ」



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