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48.幼馴染3


 尾根を降りてくるーー、あるいは尾根を越えて飛んでくるモンスターに向けて俺とオキクルミは無数の矢を降らせた。


 モンスターに当たった瞬間に爆撃魔法が四方に飛び散る「スプリット・マジック(打ち上げ花火)」という魔法を矢に付与することでモンスター達は八割方減らす事ができた。


 上空を飛んでいく魔法付与された矢を冒険者達は呆然と見ていた。


「なんで今更プルガトリオから大量にモンスターが来るんだろう?」オキクルミは矢に魔法を付与しつつ呟いた。「今までもたまに来ていたけれどほとんど単体だったし」


「ダンジョンと関係があるかもしれん」と俺は言いつつ矢をつがえた。一際大きなモンスターが川を越えようとしていた。「アイツで最後だ」


「摩擦軽減」「麻痺付与」「渾身の一撃」とオキクルミは付与魔法を矢に込めた。「スプリット・マジック(打ち上げ花火)」は冒険者達に当たる可能性があるので控えた。


「離れて」俺はオキクルミに言って矢を放った。


 矢はモンスターの頭部に直撃した。

「やった!」


 巨大なモンスターは崩れ落ちるように前のめりで倒れるも背中から何かが飛び出した。


「なんだ⁉︎」俺は目を凝らす。流石に距離があるのでよく見えない。


「視点拡大」とオキクルミは俺の目に付与魔法をかけた。


 人型に見えるモンスターはあっという間に川を超えて冒険者たちのいるところまで達した。


 そして一瞬で冒険者達全員の首が飛んだ。


 人型のモンスターはそのまま何処かへ消えた。


「どうしよう」俺は床に膝をついた。「俺のせいだ」


「違う! あの程度なら冒険者達はどの道全滅して」オキクルミは言いかける。


「やめろ!」俺は耳を塞いだ。


 すると俺の頭を柔らかい何かが覆った。「ユカラのせいじゃない。私のせいだよ」


「何故だ? 俺の放った矢のせいで皆が死んだ。俺のせいじゃないか」


「矢に『スプリット・マジック(打ち上げ花火)』を仕込めば中のモンスターも倒せたはず。だから私のせい」とオキクルミは一際強く俺を抱きしめた。


「それを指示しなかった俺のせいだ」俺は負けずに言い返す。

 

 オキクルミは俺から離れた。

そして俺の前に立ってそれから改めて俺を抱きしめた。

「じゃあ二人のせいだね。ユカラと私、二人で罪を背負うの」


「ああ」俺はオキクルミの背中に腕をまわして泣いた。


 その時、物見櫓を登ってくる、ギシギシという梯子が軋む音が聞こえた。

「やっばりいた」

 

 サヴァーは抱き合う俺達を見下ろして言った。

「えーと、お邪魔だったかな?」


 ハッと気づいて俺達は離れた。

「いや、そんなんじゃないぞ。誤解するな」俺は取り繕って言った。


「ていうか」とサヴァーは尾根を見渡して言った。「貴方達だけでモンスターを殲滅しちゃったのね」


「冒険者も全滅だ」と俺は言った。「しかもモンスターを一匹取り逃がした」


「それでも」と言ってサヴァーは俺達二人にの肩を掴んで言った。「貴方達はこの町を救った英雄なの。勿論全滅した冒険者達もね」



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