32.妖狐キキリ
俺は地面からポルターガイストを外して皆を掴み、もう片方を伸ばして流されたカンナを掴んだ。
「でも皆流されちゃう!」とハルニレは俺に代わって状況を見て言った。
カンナを回収し皆と一緒にポルターガイストで抱え、もう片方のポルターガイストで地面の取っ掛かりを探した。
なんとか取っ掛かりを見つけてしがみつく。
このまま流されても命に別状はない。だか、流れの中心まで行くと地面から遠のき二度と部屋から出られなくなる。
「この状態を維持しつつ打開策を打たないとな」俺は言った。
クルクルやハルニレのミミもまとめて抱え込んでいるので流石に疲れてきた。
唐突に肩を叩く者がいた。キキリだ。
キキリは自らの胸を叩いて親指を立てた。
「私に任せろって事か?」
キキリは頷いた。そしてポルターガイストから逃れ出てニ回転する。
妖狐(大)の姿になったキキリは空間の流れを物ともせず一直線に重力ウサギの方へと駆けて行った。
「凄い!」俺は思わず叫んだ。そもそも妖狐は空を駆ける。重力の波を掻い潜るのはお手の物だった。
キキリは重力ウサギを口で咥えた。
「キキリ、食べちゃダメだ!」俺は叫んだ。
途端に重力の流れは止んだ。だが水の中のように全てが浮かんだ状態は維持したままだった。
ポルターガイストを解除すると俺たちは二足歩行で空間を歩く事ができた。
キキリは重力ウサギを咥えたまま同行する。
「ユカラはこのウサギに会った事があるんだね」とカンナは訊いた。
「その時は地面に這いつくばって山登りするみたいに少しずつ進んだんだ」
「あの外の牧羊犬もこのウサギの力なの?」ハルニレもまた訊いた。
「そうだな。あれは幻覚だ。この空間内はほぼ自動で能力を使い、その間に牧羊犬で導く。中に入ったら重力制御で逃げられないようにする」俺は解説した。
「モンスターって二つ以上の能力が使えるんだね。羨ましい」とハルニレは呟いた。
あれ?
ハルニレの言う通り人間は一つの能力しか使えない。
例えばカンナは放電能力を色んな用途で使うが元は電撃使いというたった一つの能力に由来する。
俺は自動治癒と脱皮とポルターガイストの三つの能力が使える。
俺は‥‥、人間なのか?
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