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26.勇者・カーカは逮捕される


 登城と聞いて勇者・カーカは浮足だった。

「やっと俺の功績が認められたか!」


 パーティーのいる宿屋へは戻らず城近くの宿屋に泊まり勇者・カーカは明日に控えた。

「俺一人を名指しだ。やはり今のパーティーは解散して新たな人材を探すべきだ!」


 今思うと宿屋の反応はおかしかった、と勇者・カーカは回想する。

 ベッドに入ってすぐに廊下から複数の足音が響いてドアを開けられた。


「カーカだな、詐欺の容疑で拘束する」憲兵の一人は言った。


「詐欺⁉︎ 何のことだ?」勇者・カーカは憤慨して答えた。「それに俺は明日、登城しないといけないんだ!」


「あれは貴様の身元を確認しただけだ」そう言って国家魔法使いの正装であるローブと帽子を身につけた長身の男がそこにいた。

 夕闇で会った男だった。


「そっちこそ身分を偽っただろうが!」騙されたと知り勇者・カーカは憤慨して叫んだ。


「身分は偽っていない。実際に私は国家魔法使いだ。さるお方の願いで貴様のような小物を捕まえる為に駆り出された。逃げられないようにここの宿屋に協力してもらったがね」


 勇者・カーカはふと窓を見る。不自然に鉄格子がはまっていた。


「ここは犯罪者を誘導して捕まえるのによく使う。ちなみに登城もしてもらう。簡易裁判という形でね」国家魔法使いはヤレヤレという態度で言った。「連れていけ」


 勇者・カーカは手枷を嵌められながら茫然としつつもやっと訊いた。「俺は何の詐欺を働いたんだ?」


「少女を誘拐して騙し借金を背負わせ強制労働をした嫌疑がかけられている」憲兵の一人が紙片を手に読み上げた。


「カンナのことか。あれは奴隷商から買ったんたぜ」弱々しい声で勇者・カーカは言った。


「市井でまかり通っているが本来はこの国でも人身売買は違法だ。おい、今の証言を記録しろ」憲兵は部下に言った。


「そんなこと、知らなかった!」ほとんど泣き声に近い声で勇者・カーカは言った。


「知らなくても違法だ。国に住むという事はそういう事だ」


 勇者・カーカは逮捕された。

 そして違法に制作された借用書はのちに後見人の手に渡され破棄されることになる。


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