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25.カンナの借金と片乳


「カンナを借りて良いか」と訊いたハルニレの台詞に借金の方をつけるのだと気づいた。


「え、何?」とカンナは不安げだ。まだ気づいていないらしい。


「俺もついていって良いか?」と自然に口をついて出た。


「ユカラならそう言うと思った!」とハルニレは嬉しそうに言った。



 借金の公正証書もギルドが管理している。

 まずはハルニレが顔を変えてギルドに出向き、カンナの借金の総額を訊いた。後見人という立場ならその手の個人情報を訊く事は可能だ。事前にカンナとその手の書類は書いておいた。


 ギルドから出てきたハルニレは怒っているように見えた。

「払えるけれどどう考えても不当な額に水増しされている」


 俺は事務関係は疎い。

「どうにか出来るのか?」とハルニレに訊いた。


「少し裏の力を使うよ。正々堂々と出来ないこともないけれど時間がかかる。時間がかかるとまた水増しされるから」とハルニレは言った。


「裏の力?」


「そこはノーコメントで」とハルニレはウインクして言った。


 怖い。

 家が金持ちで裏の力を持っているとなると親は相当な権力者だ。そんな家の娘と俺はあんな事やこんな事をしたのか‥‥、知られたら殺されるな。


 俺とカンナとキキリはギルド近くの宿屋に入って宿泊の準備をした。

 ハルニレはその間に「裏の力」とやらを使う為にどこぞへと姿を消した。「夜には戻る」とのこと。

 

 帰る家があるなら俺達と宿屋に泊まる意味はないのだがハルニレがごねた。結局皆で宿泊名簿に名を連ねた。


「なんで一部屋なの?」とカンナがもっともな意見を述べた。


「第一に部屋の空きが無かったこと。第二に表面上俺達は全員女子に見えるから宿屋からすれば『まあいいんじゃね』と思われたこと。第三にそれを決めたのはハルニレということ」俺は事実を述べた。


「分かった」とカンナは腰に手をあてて正座で説明する俺を見下して言った。「じゃあこれ付けて」

 カンナは長めの布を渡してきた。戦闘時の止血に使うものだ。


「どこに?」と俺は訊いた。


「顔に」



 程なくしてドアの開く音がしてハルニレの声が聞こえた。

「ただいま! って何をしてるの? もしかしてプレイ?」


「プレイじゃないわよ! 部屋では落ち着きたいじゃない?  だからユカラには目隠しをしてもらっただけ」とカンナは言った。


「ふーん」と言うハルニレの声の後に衣擦れの音がした。「ユカラ、手を出して」


「こう?」と俺は言われるままに手のひらを差し出した。

 そこに暖かくて柔らかい何かが乗せられる。そして重い。

「何だこれ?」俺はそれを軽く握る。柔らかい。


「ん‥‥」とハルニレの艶かしい声がした。


「何してんの! あんた!」とカンナの叫び声が聞こえた。「早くしまいなさい!」


「別にいいじゃない。減るもんでもなし」とハルニレのボヤく声が聞こえた。


 想像はついたがあえてその話題に触れずに俺は言った。

「それでカンナの借金については?」



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