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24.祝杯


 キキリは俺の質問を聞いてから頭の上に両手の手のひらを前に向けて乗せた。可愛い。


「狐‥‥、変身できるから妖狐か!」と俺はキキリのジェスチャーを翻訳した。

 

 キキリは親指を立ててウインクした。可愛い。

 だがその瞬間、キキリのお腹が鳴った。

 キキリは顔を両手で覆った。


「飯にするか!」俺達は飯屋に向かった。

 頭の上でクルクルは一回転した。「クルクル」


「嬉しいのか」


「クルクル」


 しかしコイツは何を食うんだ?



 町外れの小さなレストランで俺達はささやかな祝杯をあげた。


 ハルニレは大量に頼み残らず平らげた。

「勘違いしないでね! ミミと契約しているからその分食べないとダメなのよ」


 なるほど。

 俺とクルクルは契約しているわけではない。頼んだ食事をクルクルにも適当に分けると全部美味そうに食べた。


 カンナとキキリは少食だったがゆっくり咀嚼して食べた。

 ハルニレと同じ時間で食べ終えたのに量が三倍くらい違う。


「何か?」とハルニレは俺の顔色を見てめざとく言った。


「いえ、何でもないです」


 俺は咳払いして言う。「ともあれ、これからまた別のダンジョンを攻略したいのだけれど問題ないか?」


 先のダンジョンに幼馴染の情報は無かった。カーカ達と挑んでマーカーだけ描いて途中で引き返した数多の他のダンジョンでも手掛かりは掴めなかった。

 正直、その時のダンジョン攻略ではもう少し奥まで進みたかった。


「異論はないよ」とハルニレは言った。目的を考えたら自然な事だ。


「私もそれで良い」とカンナは言ってキキリも頷いた。


 となるとカーカが適当に理由を付けて逃げたダンジョンが無数にある。そこをしらみ潰しに当たるのが良かろう。


「他のパーティーがマーカーだけ描いて未踏になったダンジョンを攻略したい」俺は出自を誤魔化すために言い換えた。


「でもそれって強敵がいるって事だよね?」とハルニレは不安そうに訊いた。


「強敵といえば強敵だがそのほとんどは正直倒せない敵ではない。立ち位置的に前のパーティーでは口出ししなかったが多分俺一人でも倒せるモンスターばかりだった」


「前のパーティー?」とカンナは言った。「パーティーに所属していたんだ」


 口が滑った。

「ああ、一応」とだけ俺は答えた。


「ふーん」とカンナは興味なさげに頷いた。


 良かった。一緒のパーティーだったなんて言えない。


「すぐに行くわけじゃないよね?」とハルニレは不意に訊いた。


「準備もあるから一ヶ月くらいは空けるつもりだ」


「じゃあカンナを借りて良いよね?」とハルニレは言った。




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