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22 勇者・カーカは国家魔法使いに会う


 勇者・カーカはほうほうの体でダンジョンを脱出した。

「クソッ、なんでこんな目に」


 町に着いてから開業している治癒士のもとへ直行した。

 同じパーティーの治癒士・ジュークには頼らなかった。


 まず第一に体裁が悪かったからだ。逃げ帰ったと知ったらリーダーとしての威厳がなくなる。


 第二に治癒士・ジュークの使う治癒魔法は特殊だったからだ。

 リサイクル(平均治癒)という怪我人の正常な部位から細胞を集める治癒魔法を使う。

 

 つまり治癒士・ジューク自体の魔力を極力使わない方法だ。

 なので当然治りは悪い。

「あのドケチ治癒士がっ」と悪態をつきつつもやっと開業治癒師のもとにたどり着いた。


 治療を終えてからマーカーの権利を確認する為にギルドへ向かった。


「ダンジョンは攻略されました」と受付は言った。


「なんだと!」勇者・カーカは憤慨して受付の机を叩いた。「俺は確かに最奥部手前でマーカーを描いたんだ!」


「そんなの上書きされたら無意味だって新人冒険者だって知っているぜ!」と近くにいた三下冒険者が言った。


「何だと?」勇者・カーカは三下冒険者に食ってかかるも腕はまだ完治していない。


「怪我人を相手にするほど暇じゃないんでね」とその冒険者は相手にせずにどこかへ行った。


「ユカラさんという方のパーティーが攻略しましたね。あのダンジョンの権利はそのパーティーで分割所持されています」と受付は淡々と言った。「パーティー申請も同時に行っていました。仲良しですね」


「ユカラだと?」勇者・カーカはさらに激昂して叫んだ。「アイツは死んだ筈だ!」


「行方不明と貴方から聞きましたが?」と受付は勇者・カーカの先の台詞を覚えていた。「ちなみにユカラさん達のパーティーは全員女性です。ユカラさんも含めて」


「ああ? 何だそりゃ」


「同名のようですね」受付は冷たく言った。


 これ以上受付でごねるのも上手くない。勇者・カーカはギルドを後にした。


「アイツらになんて言い訳するか‥‥クソッ、やはりアイツら全員首にして新しいパーティーを組むか?」


「勇者・カーカさんですね」と夕闇の中で声がした。


「ああ? 誰だ? 俺様は今機嫌が悪いんだよ!」叫びながら勇者・カーカは振り返った。


「ゲヘナ王の使いの者です」国家魔法使いの正装であるローブと帽子を身にまとった長身の男がそこにいた。「よろしければ明日登城していただきたく馳せ参じました」


「王だと⁈」勇者・カーカは怖気付いて叫んだ。


 


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