レオの目標
「レオー!!!!!」
「っシャルル?!ってうわっ!?」
『身体強化』で走ってきた勢いのまま飛びついたせいですごい勢いになってしまった。一瞬よろめきながらも受け止めてくれたレオが怪我はないかと心配してくれる。
「大丈夫…久しぶりではしゃぎすぎちゃった、ごめんね」
「はは、いいぜ。元気そうで安心した。」
「ありがとう…。うん、元気だったよ!あのね、レオ…」
それから私はここに来れなかった間の話をかい摘んで説明した。お父様とお母様に話さないと約束したいくつかのことと引きこもった経緯は伏せたけど…
「そうだろうなと思ってた」
ロベール伯爵家出身だと伝えたら意外にもレオは驚かなかった。実は結構前から良家の出だと予想がついていたらしい。それで態度を変えずにいてくれたのだからやっぱりレオはいい人だ。
「…っていうことだったんだ。何も言わずに来なくなってごめんね。剣の練習もあったのに」
「忙しかったんだろ。よく頑張ったな」
「!!へへ…ありがとう。レオのアドバイスのお陰だよ」
レオにああ言われてなかったら男装したまま授業受けようとか思いつかなかっただろうし、また途中で挫折していたかもしれない。
「…でも、次は来なくなる時言えるなら言ってけよ。心配するから」
「ごめんなさい……約束する。次は絶対言うね」
レオには悪いことしたな。私だってレオが突然いなくなったらすごく心配する。本当に反省しないと。
「ん、よし。ありがとな」
それからレオといつものように剣の練習をした。久しぶりのレオの剣筋は前よりも鋭くなっていて、しばらく剣を握っていなかった私はボロ負けしてしまった。正直すごく悔しい。
お母様にお願いして木剣をもらえないかな。そしたら家でも練習できるんだけど。
「レオはすごいね。僕がいない間すっごい練習してたんじゃない?」
「ん、まあな。目標ができたから。」
「目標?」
「ああ…騎士になりたくて」
レオが騎士…!?かっこいい!!
「絶対なれるよ!!レオめっちゃ強いし!かっこいいし!!」
かっこいいは関係ないだろってレオはちょっと照れくさそうに笑ってたけど、レオの騎士姿とか絶対かっこいいと思う。めちゃめちゃ強いし安心感もすごいからきっと騎士は天職だ。
練習の後も孤児院の子達ともおやつをしたり遊んだりして、気がつけば日が落ちかけていた。
「次はいつ来るんだ?」
「多分また来週の同じ日かな…。来週以降もお母様が開けてくれるようになったんだ。」
部屋にこもって休むといったら一人になれる時間は必要よね、と言って今後もこの曜日の午後は空けてもらえた。
「そうか。待ってる」
「ってことはえーと、じゃあ…再来月の花祭りも来れる?!」
レオの隣でシェリーが嬉しそうに声を上げる。
「花祭りって?」
「あー、夏が始まる前に町中に花を飾って春の精霊を労うんだ。屋台とかイベントとかもある。俺らも孤児院飾って祝ったりするからみんな楽しみにしてんだよ」
「へえ、楽しそうだね!」
そういえば昔お父様が話してたっけ…
伯爵家では花送りっていう名前で呼ばれてた気がする。
「その時期来れるかなぁ…来れたら絶対来たいんだけど」
領都で行う祭りなので私も関わることになるかもしれない。そうじゃなかったら来たいな。
帰ったら花祭りの頃に忙しくなるかお父様とお母様に聞いてみよう。




