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満月の夜の奇妙な噂

この物語は完全にフィクションであり、全てのキャラクターや出来事は作者の創作によるもので、実在する企業とは一切関係ありません。また、特定の企業を批判する意図も一切ございません。

これらをご理解いただける方のみ、コメディとしてお読みください。



秋の澄んだ空に、満月が鮮やかに輝く夜。街は静かに冷え込み、道端の木々が風に揺れている。

 街中では月見バーガーを求めて行列ができており、その熱狂は、もはやハロウィンに匹敵する秋の風物詩といっても過言ではない。


 そんな中、ある噂が密かに囁やかれていた――『月見バーガーを食べていない者は、謎の二人組に声をかけられ、恐ろしい場所に連れて行かれる』という噂が……


 僕はその噂を笑い飛ばしていた。そんなこと、あるわけないだろう…と思いながら。でも、そんな油断が、あの事件を招くことになるなんて。


――――――――――――――――――――――――


「おい、そこの君!」


 コンビニからの帰り道、突然、背後から鋭い声が飛んできた。驚いて振り返ると、そこには……


「手を挙げろ!月見バーガー警察だ!」


 二人組の男が、まるでコスプレのような奇妙な制服を着て、こっちに向かってきた。胸には月とハンバーガーが一緒になった謎の紋章。そして後ろには、派手に『月見バーガー警察』と書かれたどう見ても改造されたパトカーが止まっている。


「えっ?なんですか?」


「黙れ!いいから両手を挙げろ!」


 困惑しながら言われるまま両手を挙げる僕。すると、そのうちの一人がさらに尋ねてきた。


「君、今年の月見バーガーをもう食べたか?」


(………は?月見バーガー?)


 僕はどう反応していいか分からず、口を開けて固まった。


「え、あの、それは真面目に答えるところですか……?」


 混乱しながら答えると、彼らの鋭い視線がじっと注がれているのを感じた。


「まさか、食べていないのか?」


 その言葉に答えずにいると、彼らの顔がみるみる厳しくなり、手錠を取り出し始めた。僕は慌てて後ずさる。


「ちょ、ちょっと待ってください!手錠なんて……!それに、さっきから一体なんなんですか? 」


「っていうか、月見バーガーを食べることがそんな重大なことなんですか?? 」


「当然だ!日本人として生まれたのに月見バーガーを食べずに秋を過ごすなんて、許されない罪……重罪だ!しかも、もうシーズンに入って一週間も経つというのに!」


「ええっ、でも月見バーガーって別に…強制じゃないですよね?」


「確かに強制ではない。だが、秋を楽しむには、月見バーガーが不可欠だ。特にモ●バーガーの月見バーガーを知らないとはな。あれが一番美味いのを知らないなんて!君は秋を楽しむ資格、この日本に住む資格さえも無い!」


「は??日本に住む資格?」


まさか月見バーガーを食べていないだけで、ここまで言われるとは思わなかった。


「というか、そんなにモ●バーガーって美味しいんですか? マク●ナルドの月見バーガーとかもあるのに!?」


「ふん、マク●ナルド? 確かにマク●ナルドの月見バーガーは、本物の卵を使っているが、味はどうだ? バンズがしっかりしているのは認めるが、全体のバランスはモ●バーガーには遠く及ばない!」


 彼の目が一層鋭く光る。僕は困惑していたし、月見バーガーの話がここまで熱い戦争を巻き起こしているなんて、思いもしなかった。


「そんなに、●スの月見バーガーの方が美味しいんですか……?」


「当然だ。あの柔らかくてジューシーなパティに、特製の甘辛いソース。そして絶妙な半熟具合の卵…。それらがふわふわのバンズに挟まれながら、完璧に調和している。モ●こそが真の王者だ。それをまさか食べていないなんて……秋を無駄にし、人生損しているといっても過言ではない!」


 彼の真剣な眼差しと勢いに、僕はすっかり気圧(けお)され、気づけば手を降ろしながら、「じゃ、じゃあ……モ●バーガーに行きます!食べます!それでいいですよね?」と勢いで言ってしまった。脳がオーバーヒートしておかしくなっていた。


「ふむ、君は初犯だし、まだ若い。今回だけは見逃してやろう。だが今度会った時、月見バーガーを食べていなかったり、他の店の月見を選んでいたら容赦はしない。モ●の月見を忘れるなよ!」


 そう言い残し、二人は満足げに奇妙なパトカーに乗り込み、サイレンを鳴らして去っていった。


(一体なんだったんだ……。いや、もう深く考えないようにしよう)

(モ●バーガーが一番……か。とにかく行ってみるか……)


 僕は一瞬呆然としたが、深く考えないことにして、最寄りのモ●バーガー店に向かうことにした。


(これがモ●の月見バーガーか……)


 店に着き、月見バーガーを注文し、一口かじる。その瞬間……甘辛いソースが口の中に広がり、ジューシーなパティとプルプルの卵が絶妙に混ざり合う。それらがふわふわのバンズと完璧に調和しており、驚くほど美味しい。


「なるほど……これが本物か……」


 僕は月見バーガー警察の厳しさが少し理解できた。そして静かに秋の満月を眺めながら、来年もまたモ●の月見バーガーを味わおうと決意したのだった。


―――――――――――――――――――――――――――――


 さて、読者の皆々様、こんな噂、もとい都市伝説を聞いたことはないだろうか?


『秋の風がそよぐ頃、月が満ち輝きだすと、街にはとある二人組が現れる。彼らは“月見バーガー警察”を名乗り、奇妙な車と共に月見バーガーを宣伝しにやってくる。』


 この二人組は、どこからともなく人々に話しかけ、こう言うのだ。


「貴方はもう月見バーガーを食べましたか?」と。


 そう、彼らは月見バーガーをまだ食べていない者を探し出し、その年イチオシのお店の月見バーガーを布教してくる。それに彼らからは決して逃げられない……月見バーガーを食べるその瞬間まで。


 そして、彼らは常に新たなターゲットを探している。気づけばあなたもその“ターゲット”にされているかもしれない。』と。



 この都市伝説を信じるかどうかは、あなた次第だ。

 だが、もしこの秋が過ぎようとしているのに、まだ月見バーガーに手を出していないなら……注意したほうがいい。


 いつ、どこで、あの“月見バーガー警察”に遭遇するか、分からないのだから。


――さあ、あなたはもう月見バーガーを食べましたか?



[完]



お読みいただき、ありがとうございます!

改めて、この物語は完全にフィクションであり、特定の企業や商品を批判する意図は一切ありません。


マク●ナルド派だからと、この物語に低評価を付けないでいただけると嬉しいです!どうかお願いします(土下座)


(実は、先日友人から月見バーガーの熱烈なおすすめが届き、その熱意があまりに強烈で、面白おかしく書き上げた次第です……。私個人はまだ月見バーガーを食べていなくて、近々食べに行く予定です!その間に捕まるかもしれないので、どうかお許しを……)


ケンタッキーやロッテリア、バーガーキングの月見バーガーは、友人もまだ食べた事がないようです。もし、読者の皆さんの中で食べた事がある方がいれば、ぜひ感想をコメントしてください!もしかしたら、それを参考に次回作を書くかもしれません。


また、少しでもクスッと笑っていただけたら、ぜひ☆マークやブクマを押していただけると励みになります。こんな設定を加えたらもっと面白い!というコメントも大歓迎です。


改めて、最後までお読みいただき、ありがとうございました!

(真希ひろい)


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