第4話 王子の家庭教師
国王が王子の部屋に案内してくれた。
「ここが王子の部屋だ」
そう言って王は「すー」とどこかへ行ってしまった。
何かやましいことでもあるのだろうか…
ガチャ
「しねええええええ!!」
王子は王家の剣でエストに斬りかかった。
だが、それをつまんで止めた。
「は?つまんで止めた!?王家の剣を?」
あまりの衝撃に王子は剣から手を離した。
「危ないから端っこに置いとくね」
「ひぃいいい!どうぞご自由に!!」
あまりにも凄まじい手のひら返しにエストが困惑する。
「私はエスト。名前は?」
「僕の名前はアレクシア・フォン・クーネスでございます!どうか命だけは!!」
「どう思われてるの…」
家庭教師か。何をすればいいんだろう。勉強?それとも剣術とか武術とか?
取り敢えず勉強教えるか。
ということで椅子に座った。
「たとえば104ー4。引き算っていうのはね、戦って数字が大きい方が勝つんだよ」
「つまりー4が僕でエスト先生が104ってことですね」
「多分そうだよ」
予想外の返しにエストが戸惑う。
「つまり計算すると、エスト先生のHPが100残ったわけですか。手強いですね」
(教え方これで合ってるのだろうか)
「次は掛け算ね。掛け算は、分身の術を使っている相手の力を計算する方法だよ。例えば、戦闘力100の私が3人に分身したら、戦闘力は300。わかりやすいでしょ?」
うなずいアレクシアを見て、手応えあり!と思ったのだが、予想を裏切ってきた。
「では、戦闘力7の僕が先生に勝つためには、15人に分身しなくてはいけませんね」
「え!?それ割り算だよ!?よくできたね!!」
いい意味で予想を裏切られた。まさかここまで頭がいいなんて……。
「勉強は一瞬で出来そうだし、回復魔法の練習でもしましょうか」
「え、先生ほどの力を持ったお方がヒールを使えるのですか?いや……先生の頭脳があれば納得か……」
「いやいや、私の本職はヒーラーだからね!!『ついでに』ちょっと戦えるだけっ!!」
「どこが『ちょっと』なんですか……」
王子が腕を腕に上げ、伸びをした時、私は見てしまった。
腕についた大火傷を。
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