私の新しい家族②
「可愛いなぁ〜」
「ほっぺプクプク!」
「あまりいじるな!起きるだろ!」
「ぼくもほっぺ触りたいのにぃ〜」
キャッキャと子供たちの声が聞こえ目を覚ますと、私を覗き込む4人の顔があった。
1番年長者であろう少年はお母様と同じダークブラウンの髪を短く刈り上げ、お父様と同じ琥珀色の瞳をしている。
「ほら、起きてしまったじゃないか!気持ち良さそうに寝ていたのミリリアがほっぺをつつくからだぞ!」
少年に怒られても気にも留めないとばかりにミリリアと呼ばれた少女はまだ私のほっぺをつつくのに夢中らしい。
「まぁ〜、お父様の言ってた通りペリドットの瞳が綺麗だわ!とっても可愛いわねレミーナ!私はあなたお姉さんミリリアよ!ミリーねぇねって早く喋らないかしら?」
ミリリアお姉様は綺麗なハニーブラウンの長く真っ直ぐに伸びた髪を揺らしながらオリーブグリーンの瞳を輝かせていた。
「ケンジットお兄様、あまりレミーナの前で怖い顔はなさらないで!ミリリアお姉様はつつきすぎです。」
アッシュブラウンの緩やかにウェーブのかかった髪に琥珀色の瞳をした少女が兄と姉を注意する。
「ぼくもレミーナのほっぺ触りたいってばぁ〜!」
「「「カインはダメ!!」」」
カインと呼ばれた少年はサラサラショートのブロンドヘアでオリーブグリーンの瞳からポロポロと涙を流しはじめた。
寝起きの私には情報量が多すぎて泣き出せば、お母様は私をすぐ抱き上げる。
「ナリスの言うとおりよ!ミリリアはつつきすぎ!ケンジットは顔が怖い!カインは手を洗ってからレミーナを撫でましょうねぇ〜」
お母様の一声で騒いでいた4人は静かになった。
カインお兄様はミリリアお姉様に連れられて手を洗いに行き、部屋に残ったケンジットお兄様とナリスお姉様がお母様に抱かれる私を見つめている。
「可愛いなぁ〜、どれくらいで歩くようになるんですの?」
「そうねぇ〜、一歳になる頃には立って歩き始めると思うけど、個人差があるからなんとも言えないわね。」
ナリスお姉様とお母様の会話を聞きながら、ケンジットお兄様は少し寂しそうに笑う。
「僕が王立学園に入学する前に一緒に庭園を散歩できるでしょうか?」
「入学しても長期休暇のたびに帰ってきてレミーナと遊んでちょうだい!それに6年の最高学年にケンジットがなったらレミーナ以外はみんな学園にいるのよ!私とお父様の方が寂しいですからね!いっそその年は王都のタウンハウスで生活しようかしら!」
お兄様が私と離れて暮らすことを寂しがっているようでなんだか心がくすぐったくなる。
兄弟から疎まれることもなく、可愛いと言ってもらえることがただ幸せで嬉しくて…
私を愛してくれる新しい家族に私もたくさんの愛を幸せを送りたいとそう思った。