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第9話 虐殺

異世界に行くのって案外簡単なんだな。第9話です。


多少過激な表現があるのでご注意下さい。

眠りについて数時間経ったころだろうか、カミルが慌てて心を起こしにきた。


「心、起きてまた市民達が王宮の前に来ているの」


その言葉に、心は、すぐさま目を覚ました。


「今度は、どうしたんだ」


カミルが、答える。


「どうやら昨日の殺戮を屋敷に忍び込んだ市民街の子どもが見てしまったらしくてそれを確かめに来たみたいなの」


まさか昨日の殺戮を見られていたとは、考えていなかった2人は、少し取り乱した。


「どうしよう心」 


不安げなカミルの顔を見ると、心がいきなり笑い始めた。


そのあまりの異様さにカミルも驚いた。


「大丈夫だよ。カミル」


笑いながら心が言った。


「俺達は、快楽殺人者だ」


「何にも、恐る事は無いし、俺には、超作成があるから人を殺せる道具なんていくらでも作れるんだ」


「だから、外に集まっている市民街の奴らも俺達のおもちゃなんだよ」


「皆んな、殺してしまえばいい」


「そうすれば、面倒な説明を考えなくていいだろ」


「そんで、その後、王都の奴ら全員殺すんだ」


「女も、子どもも、老人も、1人たりともこの王都から出さないで」


「2人だけのユートピアを作るんだ」


その狂っているとしか言えない発言だか、カミルは、そうは、思わなかった。


カミルは、身体を震わせ、大声で笑いながら言った。


「素晴らしい、素晴らしいは、心」


「2人だけのユートピア。なんて素敵な響きなの」


「作りましょう、殺しましょう、2人のユートピアと、快楽の為に」


「決まりだ」


そう決めると、王宮殺戮の時同様、王宮の広間に、市民街の人達を集める事にした。


カミルは、市民達を王宮の広間に案内するため王宮の門に向かった。


その間に心は、今回の殺害に使う武器を超作成で作っていた。


「えーと、人数は、大体30人ぐらいかな」


「今回は、これを使ってみよう」


「銃だと直ぐに死んじゃうからな」


武器を作ると、心は、カミルの帰りを待った。


その頃ちょうどカミルが門の前についた。


「皆様どうしたのでしょうか?」


市民達が、威圧的に、言う。


「カミル様あんたが王宮の皆んなを殺したって言うのは、本当か」


「あんたともう1人の男が、王宮の皆んなを殺してるところを見たやつが居るんだ」


カミルが深刻な顔を作りながら喋り始める。


「皆様は、何をおっしゃっているのでしょうか」


「私が、王宮の皆さんを殺す」


「そんなの無理に決まっているでしょ」


「王宮の皆は、ちゃんと生きています」

 

「いくら言葉で言っても信じて貰えそうに無いので、皆様を王宮広間に案内いたしますので、その目でどうぞご家族の安否をご確認下さい」


そう言うと、カミルは、門を開き、市民達を広間に案内した。


市民達がボソボソと喋る声が聞こえる。


「なんか、王宮静か過ぎないか」


「確かに、なんと言うか、不気味な感じだな」


そんな、ひそひそ話を盗み聴きながら直ぐに広間についた。


「皆様、ここが広間になります」


「皆様の、ご家族を連れてきますので少しお待ち下さい」


そう言い残し、市民達を広間に残し、一旦心の元へ戻った。


「心、準備は、出来てますか」


「ああ、出来ているよ」


心が、先程作った武器を取り出した。


「コレだよ」


「これは?」


「これはね、火炎放射器と言って銃みたいにトリガーを引くと強力な炎が出るんだ」


「銃だと、一瞬で死んじゃうからつまんないかと思って」


「これ、カミルの火炎放射器ね」


「ありがとう心」

 

「存分に楽しませてもらうね」


「じゃ行こうか」


2人は、早く快楽に浸りたくなり、足早に広間に向かった。


「さぁ始めようか」


その言葉に、2人は、広間に入るや否や市民達に向けて炎を浴びせた。


いきなりの事に、慌てふためく市民達は、広間から逃げようとするも、逃げ出す前に燃やされ黒焦げにされた。


「嫌、助けてお願い」


そんな言葉には、耳を傾けず容赦なく殺した。


「熱い、熱い、死んじゃう、死んじゃう」


「苦しい、苦しい、ギャー」


そんな悲鳴が飛び交うが、2人には、それが至福だった。


「ほーら速く逃げなさい、逃げないと死んじゃいますよ」


カミルは、そう言いながら、まるでネズミを追いかけるが如く人々を追いかけて回した。


ほんの数分の時間だが2人には、すごく長い時間に思えた。


辺りは、焦げた死体と、臓物の焼けた臭いでいっぱいになった。


「もう終わりですの」


「一応、生きてる人いるか確認するか」


心は、いつもの様に、1人ずつ安否を確認した。


「助けてくれ」


虫の息だが1人生きていた。


「カミル、1人生きてるよ」


その言葉に、カミルは、持っていたナイフを取り出し、その人の、腹を切り裂き、臓物を引きずり出した。


「この血の臭いたまりませんわ」


「カミルも、相当な快楽殺人者だね」


「貴方程では無いわよ」


「それにしても、燃やすと後始末が楽だな」


「そうですわね」


「前回は、死体を焼却炉に運ぶの大変だったしな」


「今回は、もうほとんど骨だし直ぐに片付きそうだね」


2人は、早々に後始末をすると、部屋へ戻るがその興奮を抑えきれず2人は、抱き合った。


しばらくして、これからの予定につい話し始めた。


「次は、王都の人の皆殺しだけど、どうやってやろうか」


「流石に、一件ずつは、時間掛かるし、逃げられちゃうよな」


「そう言えば王都て人口どのくらいなの」


「大体1万人ぐらいですね」


「一万人か…」


流石の人数に、なかなかいい案が浮かばない。


「王都の人が王宮に集まってくれたら楽なのに」 


そのカミルの言葉に、心は、閃いた。


「それだよカミル」


「どう言う事ですの」


「王都の人達に何かしらの理由をつけて王宮に来て貰えばいいんだよ」


「なるほどですね」


「でもどう言えばいいのでしょうか」


心は、しばらく考えて答えを出した。


「まず、この国に新たな病原菌が発見された事にして、病原菌にかからない為の消毒を受けて貰う名目で王宮への来訪をカミルが国王命令として、発令する」


「で、消毒部屋と言って毒ガス室に入れる」


「毒ガス室ですか?」


「そう、前世界では、昔からあった大量殺人の方法で一度に大量に殺せるんだ」


「毒ガス室は、超作成で簡単に作れるし、この方法なら1人も残さず楽に殺せるだろ」


「それは、いい案ですわね」


「王宮の土地は、広いから、毒ガス室を沢山作れそうだし上手くいけば1日で終わるかも」


「でも、この前の噂のせいで怪しまれているのに上手く集まるのでしょうか」


「それは、大丈夫」


「王宮への来訪を呼びかける時に王宮のと今日殺した市民街の人達は、その病原菌で亡くなった事にすればいいんだよ」


「もちろん、国王様も病原菌で死んだ事にする」


「で、その病原菌は、菌が入ると一瞬で死ぬ事にして、俺とカミルは、たまたま消毒をしていたから死ななかって事にすればなんとかなるかも知れない」


カミルは、心の話を聞くとその案に賛成した。


「それで行きましょう」


考えがまとまったところで早速準備を進めた。


「さてと、まず毒ガス室を沢山作らなきゃね」


「毒ガス室一つには、1000人位が限度だから、10個作れば大丈夫かな一応予備も含めて12個作ろう」


「やり方としては、一万の王国民を確毒ガス室に全員入れてから毒ガスを流そう」


「じゃないと毒ガスに気づかれて逃げられるかも知れないしね」


「で、全員殺した後一応王国を回って残ってる人が居ないか確認しよう」


「じゃ決行は、明日」


「今日中に国王声明を出してもらえるかな?」


「それは、構わないのですが今日中にどうやって国民に知らせればいいのでしょうか」


「それなら、超作成でいい物作るよ」


心は、超作成である物を作った。


「できた」


「これは、マイクと巨大スピーカーだよ」


「このマイクに向かって喋ると、このスピーカーから喋った声が大きくなって出るから王都全体まで聞かれると思うよ」


そう聞くとカミルは、早速喋り始めた。


「王都の皆様お聴き下さい」


「今王都では、新たな病原菌が発生しました」


「その病原菌にかかると一瞬で命を落としてしまいます」


「皆様もご存知かと思いますが、先日国王様が亡くなりました」


「その原因が、この病原菌です」


「そして、王宮の皆と市民の一部の方もこの病原菌で亡くなっています」


「今王宮での生き残りは、私ともう1人だけです」


「私ともう1人の心様は、たまたま消毒をしていたので病原菌には、かからなかったのです」


「そこで、病原菌の拡大を防ぐ為に、王都の皆様にも消毒を受けて貰います」


「明日の朝、王宮にお越し下さい」


「これは、新国王の私からの国王声明です」


「以上」


カミルの堂々たる演説は、目を見張るものだった。


「カミルが話している間に、毒ガス室出来たよ」


心が、カミルに、毒ガス室の使い方を教えると、2人は明日に備えて休む事にした。


明日、王都の未来が全て無くなる事など民衆は、誰も知らないのだ。


快楽と私利私欲のためだけの虐殺の始まりを。







 





ご覧いただきありがとうございました。


次回で最終回になります。

最後まで読んで頂けたら嬉しく思います。

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