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虹色騎士 クールナイツ ~cool knight~  作者: 彼方 菜綾
♮1 クールナイツの誕生
3/208

#1 物語はここから始まる

 ここは朱雀すざくちょう――。

 賑わう街で大人から子供までたくさんの人が住んでいる。

 

 また、朱雀町には小学校、中学校、高校とたくさんの学校がある。

 なので、様々な制服を着た生徒も多く見かける街でもある。


 さて、これはその中のとある3人のお話し――。


 ☆


 とある休日のことである。


 ピンポーン――。

 ご立派な豪邸の前で1人の少女がインターホンを鳴らしていた。

 ここの娘だろうか――。

 いや、娘ならば普通に入ればよかろう。

 それに、少し失礼かもしれないが豪邸に住んでいる娘にしては服装が質素である。


「はい、どちら様ですか?」

夜半よわ星奈ほしなです!」

「あら、星奈ちゃん!ちょっと待っててね」


 ガチャンと通話が途切れ、待つこと数十秒――。


「お久しぶり、星奈ちゃん!」

「つきみん!」


 星奈という少女はつきみんと呼ばれる少女に抱きついた。


「ひぃちゃん、もう来てるわよ?早く行きましょう」

「うん!」


 2人は仲良く手を繋ぎ、豪邸の中へ入っていく。

 ししおどしが見える廊下を歩き、とある部屋の障子を開けると、そこには――。


「ひぃちゃん!」

 

 星奈という少女はひぃちゃんという少女に抱きつく。

 この少女は人に出会う度に抱きつくつもりなのだろうか――。


「星奈、離れなさい」

「いやだぁ~。1週間も会えなくてすごく寂しかった~」

「たった1週間じゃん?!」


 なんとも女子の会話という感じである。


 さて、ここで人物の紹介でもしよう。


「ひぃちゃん、つめたーい。感動の再会を果たしたのだからここは抱き合うべきだよ」


 そう言って、口を尖らせるのが夜半よわ星奈ほしな

 氷柱つらら中学校に通う1年生。

 髪の色は藍色で、髪をやや左側に束ねている。

 束ねた髪が左肩に流れるように乗っているところだけを見るとすごく大人っぽい少女である。

 仲のいい2人からは星奈と呼ばれている。


「たった1週間でしょ?こんな短期間で抱き合っていたら1ヶ月とか1年会わなかったら何されるのよ?」


 はぁ、とため息をついてお茶をすするのが朝臣あそみ日向ひなた

 陽炎かげろう中学校に通う1年生。

 茶髪であり、ポニーテールが特徴的な女の子。

 2人からはひぃちゃんと呼ばれている。


「小学校まではいつも一緒だったもんね。わたしも2人と会う機会が減って寂しいわ」

「つきみーん!」


 そう言って星奈に抱きつかれるのが、昼庭ひのにわ月美つきみ

 闇夜あんや中学校に通う1年生であり、かつこの豪邸の娘である。

 髪は紫色で、右上の髪を少しだけ束ねている。

 お嬢様であるが、星奈と日向と全く変わりない少女である。

 2人からはつきみんと呼ばれている。


「つきみん、そうやって星奈を甘やかさない」

「ひぃちゃん、星奈ちゃんのお母さんみたいだね」

「お母さんじゃない。夜半星奈の幼なじみ」

「じゃあ、幼なじみならなおさら抱きついてもいいよね?」


 星奈、日向、月美――。

 幼稚園の頃から共によく遊ぶ幼なじみである。


 そういえば、なぜ小学校まで同じだった3人が別々の中学校に通うことになってしまったのか――。


 冒頭でも触れた通り、ここ朱雀町には複数の学校がある。

 その中に中学校は3つ――。

 どこの中学校に通うかは住所によって振り分けられる決まりになっている。

 3人は仲はいいが、残念ながら家は近所ではない。

 それで、3人が別々の中学校に振り分けられてしまったというわけだ。


 ついこの間の3月までずっと一緒だった3人――。

 しかし、この4月で突如離ればなれになってしまった。

 会えなかった期間はたった1週間――。

 しかし、毎日一緒に過ごしてきた彼女たちにとってはとてもとても長い時間だったのだろう。

 聞きたいことが山ほどあるようだ。

 

 『学校は楽しい?』

 『友達100人出来た?』

 『担任の先生は若い?』


 いろいろな質問が飛び交う。

 その間、彼女たちは終始笑顔だった。


 しかし、そんな彼女たちの会話に割り込むようにクルックーと鳩が5度ほど鳴く。

 どうやら、時刻が17時であることを伝えたかったらしい。


「楽しい時間はあっという間ね――」

「せっかく集まれたのに残念だわ――」

「わたし、つきみんの家の子になろうかな?ひぃちゃんもどう?」

「おっそれなら俺は3人のかわいい妹に恵まれるってわけだ」


 3人が声の方へ顔を向けると、そこには金髪の少年が立っていた。


「ののくん!」


 星奈はののと呼ばれる少年に抱きついた。

 

 彼の名は西表いりおもて望夢のぞむ

 火光かぎろい中学校に通う3年生。

 髪はきれいな金髪をしている。

 しかし、前髪が長いのが気になるのかピン止めで留めており、見た目が意外とチャラい男子だ。

 星奈と日向からはののと呼ばれてる。


「さぁ帰るぞ。家まで送ってやる」


 星奈と日向はおとなしく席を立ち上がると――。


「「バイバイ、つきみん!」」

「バイバイ。また会えるのを楽しみにしてるわ」


 3人は少し寂しそうだが笑顔で手を振る。

 そして、星奈と日向は望夢に手を引かれて帰っていくのであった。


 ☆


 これから仲良し3人組はそれぞれ違う生活を送ることになる。

 そして、それぞれの物語が始まるなど誰が予想していただろうか――。

夜半よわ 星奈ほしな

氷室中学校に通う1年生。

人懐っこい元気な女の子。


朝臣あそみ 日向ひなた

陽炎中学校に通う1年生。

サバサバした性格の女の子。


昼庭ひのにわ 月美つきみ

月光中学校に通う1年生。

とてもおとなしい女の子。


西表いりおもて 望夢のぞむ

月光中学校に通う3年生。

ちょっとチャラ目な男の子。

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