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虹色騎士 クールナイツ ~cool knight~  作者: 彼方 菜綾
♮5 クールナイツと大切な仲間
189/208

♯187 次に目を開けたら平和が待っているはず――

 ただ、あの白くて大きな鳥のようなモノクロームを追いかけてきただけだった――。

 そして、望夢ダイヤに言われるがままに動いてモノクロームを浄化した。


 ――。


 だが、みつ葉(クローバー)は素直に喜べなかった。

 理由は目の前に壊れた鍵が3つあったから――。

 その近くには虹霓こうげい高校の制服をきた男子生徒が2人倒れていた。

 つまり、人型のモノクロームの正体は彼らだったということ――。


 敵がまた人を狙った――。

 その事実は確かに恐怖だった。


 しかし、それよりも恐ろしかったのがあの鳥のようなモノクロームが人型のモノクロームを握り潰そうとしていたこと――。

 つまり――。

 考えただけで背筋が凍る。


 今なら望夢ダイヤ護琉スペードを放置してでも浄化を急げと言った意味が分かる。


「クルックー」


 2人の男子生徒の間でハトが呑気に鳴いている。

 おそらく、このハトがあの鳥のようなモノクロームの正体なのだろう。


 ハトはもう一度、クルックーと鳴くと大きく羽根を広げた。

 そして、どこかへ飛び立つのだろうかと思ったら護琉スペードの近くへと腰を降ろしたのだった。


お兄ちゃん(スペード)!!」


 目の前の恐怖にあ然となっている場合ではなかった――。


 みつ葉(クローバー)は急いで護琉スペードのもとへと駆けていった。

 そしてそのまま護琉スペードを優しく抱き上げようとしたのだが、その前に護琉スペードに強く抱きしめられてしまった。


「――あたしがいるからもう大丈夫だよ」


 護琉スペードからの返事はない。

 ただ呼吸をするたびにヒューヒューという音が聞こえてくるだけ――。

 しかしそれも徐々に落ち着いてきて、やがて寝息へと変わった。


まも(スペード)は大丈夫か?」


 少し遅れて望夢ダイヤが姿を現した。


「大丈夫。今、気持ちよく眠ったところよ」

「そうか。よかっ、た――」


 と言い終わる前に望夢ダイヤみつ葉(クローバー)にもたれかかるかのように倒れてしまった。

 おかげで、そのまま押し倒されてしまった。


「ちょっと?望夢ダイヤ?!」


 と慌てたが、耳を澄ますと寝息が聞こえてきた。

 どうやら、望夢ダイヤも眠ってしまったみたいだ。


「もう心配させないでよ――」


 望夢ダイヤが戦いの後で倒れるなんて珍しい。

 余程、人型のモノクロームが厄介だったのだろう。


 さて、みつ葉(クローバー)は身体を起こそうとするが男子2人にのしかかられているため身動きがとれない。

 さらに右を向けば護琉スペードの顔が、左を向けば望夢ダイヤの顔がすぐ近くにある。

 改めて現状を理解したみつ葉(クローバー)の顔は一気に真っ赤に染まった。


 そしてその直後、急激な眠気がみつ葉(クローバー)を襲った。

 おそらく、護琉スペード望夢ダイヤの傷を一気に癒やした反動が来たのだろう。

 見えないだけで2人の傷は意外に深かったらしい。


 そんなみつ葉(クローバー)たちをよそに「クルックー」とハトはもう一度鳴くと、そのまま遠くへと飛び立っていってしまった。


 そんな呑気なハトを見て、ふとみつ葉(クローバー)は思い返す。

 鳥のようなモノクロームは意外にあっけなかったと――。

 そもそも、あのモノクロームからは戦意というものを感じなかった。

 みつ葉(クローバー)を見るなり戦うこともせずにその場から逃げ出し、自分が浄化されると分かっていても決して抵抗してくることはなかった。


 もしかしてとみつ葉(クローバー)は思う。

 鳥のようなモノクロームはクールナイツを手助けするためのものだったのではないかと――。

 だとしたら、みつ葉(クローバー)を見て逃げたのは実はみつ葉(クローバー)をプールヘ誘うため――。

 人型のモノクロームを握り潰しているように見えたが、あれは実は必死で動きを止めていただけ――。


 ――そんなわけないよね。


 そう思いながらみつ葉(クローバー)はゆっくりと眠りに落ちた。

 

 大丈夫――。

 黒く染まった生徒たちは徐々に色を取り戻している。

 だから、次に目を開けたら確実に平和が待っているはずだ――。

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