9/11
突然ですが、お茶飲みたいです
そういう理由もあって
状況があらかた飲み込めた私はひどく冷静だった
喉乾いたな、冷蔵庫に麦茶冷やしてあったっけ?
と呑気に考えていたくらいだ
私は雪泊に話しかける
「あの…」
びくっとする雪泊
なぜあなたが驚くのか
意外に小心者なのかもしれない
ギロリと睨みつけながらこちらを見る雪泊
私は構わず続ける
「喉が渇いたので…お茶持ってきていいですか?」
一瞬拍子抜けしたような顔をしたが、厳しい顔つきと強い口調で返事がくる
「台所に行って、武器を調達するつもりだな?そんなもの、許すわけないだろう、じっとしてろ」
「そんなこと、しませんよ。信用ならないなら、あなたもついてきたらいい。ちゃんとそのナイフを私に突きつけておいてね」
ポカンとする雪泊
私は、ゆっくりと立ち上がると、雪泊がちゃんと付いてきているのを確認しながら台所へ向かうのだった。