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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
大光寺の戦い 天正四年(1576)正月
96/105

見果てぬ夢 5/5

 沼田は(ふと)人、敵の様子っこ()探るため農夫()扮する。大光寺城の兵らは意気揚々で、為信が攻め来るん()今か今かと待ち受けてら()んた。かつて堀越騒動ですたように……民ら()も石()投げさせ、枝葉()()置かせるつもりだ。


 ……がばっ(/\)と攻め滅ぼすのはできね(/\)びょん()。さすがは滝本、味方(けやぐ)だば()たんげ(_/)頼もすい()こと。



 ……大浦軍は、大光寺()包囲すたまま(ばんげ)()(むけ)えだ。松明()たんげ(_/)焚かせ、大軍であることば(/\)敵さ(/\)()せる。ばって()、大光寺勢は(おっ)ねがん(/\)ね。滝本は城兵()鼓舞す、意気()高めた。


 さて、次の日()移る。為信は第一陣と第二陣()城さ(/\)(ちけ)づけさせ、太鼓など音っこなる道具で挑発するべと仕掛(ちょ)す。滝本は動か()。彼もまんた(_/)だば()わだち(/\)も” と法螺など()吹いて城から出てくるのかと身構えさせたり、笛さ(/\)歌ば(/\)のせて諳んずたりすた。


 二日目も、刃ば交えることね(/\)終わ(しま)る。


 三日目()なり、空がわん()つか()まねく()なり始めた。ここらが頃合いらんた(/\)と為信は()い、北の兵以外まるっ(/\)と城への攻撃()命ずた。


 大浦軍がここさ(/\)動く。……勝負()かけてきたんたと滝本は考えた。……んだ()城ば(/\)囮とすて、七百だけ分けて出陣する。林()抜け、為信の本陣()狙う……。


 城内にいた沼田はこの動き()知ら(しか)せるため、本陣()戻るべとする。まんまと抜けることはできたばって()……滝本の(はえ)え動き()ついていけね(/\)く、すかも為信の本陣も|城さ向かって動いてら()はんで()、正確な位置が分かんね(/\)


 第一陣ど第二陣は(なん)知らね(/\)まま、大光寺城()襲い掛かる。中の城兵はたんげ(_/)抵抗す、互いに無傷ではいられね(/\)かった。火縄でも狙ってくる。

 乳井と小笠原は先頭に立ち、門()壊すべとしてら(/\)。……わん()つか()すて門は破れたが、足の裏さ(/\)石や草の棘が刺さる。多くの兵が痛み()訴え(さかん)だ。なんぼ(_/)草履()はいてら()とこで、激すく()動くうちにやぶれてまる()。こうすて勢いはねく(\/)なった。


 (くれ)くなってきたはんで()、一旦引き上げるべと後ろさ下がるん(/\)たば(_)……突然大声()(さか)んで、農夫らが鎌ば(/\)携えて襲ってきた。慌て(はけ)て逃げる兵らだばって()、城から出た後も追ってくる。ずんぶ(/\)(ふろ)がる田んぼ()足っこ取られ、殺される者もたんげ(_/)出でまる()

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