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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
大光寺の戦い 天正四年(1576)正月
94/105

見果てぬ夢 3/5

 小笠原は、その体勢からなんも(/\)動かね。万次はずんぶ(/\)()瞑ってらば()……次第に心っこ揺れる。


 いざ決心がつく。小笠原は刀()振り上げた。


 すると……突然。万次は布団()両手でつかみ、小笠原の方()投げた。刀は布団の綿()顕わに(みそくたねく)させた。


 万次は(さか)ぶ。


 「聖人君主みてぐ()、だまって死ねるが。」


 (がわ)りの物ば(/\)ずんぶ(/\)投げつけた。小笠原は甘んずてがばっ(/\)と受けた。(ちけ)くに物がねく(\/)なると、万次は体当たり()してく。残ってら()()振り絞り、小笠原()向かう。



 ……一振りで斬り捨てられた。斜め()刃は()って、万次の体は横さ(/\)倒れこむ。


 命は、一瞬のうちにねく(\/)なった。


 万次は口()っけく(/\)開け(ふろ)げたまま。顔の皺ば(/\)際立たせ、この世の者でね(\/)()めせる。


 小笠原は……涙っこ()流す。万次が死んだの()確かめると……その場から立ち去った。振り向くことはすね(\/)


 万次は、かつて小笠原()助けた。信州より逃げてきた時には食い物ばけて(\/)、大浦家への仕官も薦めてけた()。大恩人()斬る羽目さ(/\)なる。


 小笠原は……このまま何処かへと放浪するべかなとも()った。ただ……そいだば(/\)万次のすたことが無駄さ(/\)なってまる()


 万次も夢()たこと。


 “津軽ば(がめ)る”


 為信の元、果たそうでねが(\/)


 その後、小笠原は大浦家()戻る。万次党は荒れたばって()、ほどんと為信()従った。わん()つか()は港町鯵ヶ沢()燃やすべと企んだばって()、鯵ヶ沢代官の秋元が未然に防ぐ。彼らは舟()こぎ出す、さらに北へと逃げていったという。


 万次党は、大浦家臣とすて浪岡攻略戦などたんげ(_/)活躍ば()せてく。


 ただすその徒党は……平和な時代が訪れると、形()ねくし(/\)消滅すた。すなわち他の民衆らとまざったことば(/\)意味する。

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