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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
長子信建、出生 天正二年(1574)夏
90/105

千徳の姫 4/5

 為信は襲う。右手()囲う晒布はほどけ、辺りさ(ふろ)がった。徳姫も気づいたん()たば()すい()(いで)えの()覚え、目前(めのめえ)の男が大変怖(おっかね)え。廊下の床は、二人の血で覆われる。


 すばらくすて……徳姫は身ごもった。


 (とっちゃ)の千徳政氏はたげ()驚いたばって()、甘んずて受け入れた。なすてなら大浦一門()なり、立場が保たれるとこで(/\)。ただす……兄の政康は(ちげ)え。徳姫は、傍にいる政康()泣げついた。政康も……“妹は、(ちょ)される為に来だんでね()”と、かちゃ(_/)くちゃ( ̄\)ねえ()。だが……すてける(/\)こと、(ふと)つもね。


 後()なって政康は千徳の家督()継いだ。南部と通ず、為信()対し反旗()翻すに至る。……結果は、みじめな(はんかくせえ)敗死。ここさ(/\)千徳家は滅亡す(ねくなる)


 徳姫()対す、……戌姫は(わらし)ば最後までなせね(/\)くて、夫ばも()すべと(/\)すた。先代の(めのこ)だばって、これまで通りにはいかね。居場所はねく(\/)なり、城より()ばって()仏門()()る。


 年は明け、天正二年(1574)()なった。為信の正室()は千徳政氏の(めのこ)、徳姫がおさまった。新年の祝事は、この二人()目前(めのめえ)にすて行われる。


 その日から、沼田祐光も復帰すた。(ばんげ)、二人はすばらぐぶりに集う(たがる)


 沼田は為信()、事の仔細()報告す(しかへ)た。


 「犯人は成田伝也という男で、滝本の家来でした。」


 予想すてら(/\)。あの戌姫は……たぶらかされたんでねがと(/\)。嘘の愛()騙されたと、(わー)()納得させたかった。


 滝本は……大浦の意()添う気がね(/\)


 そすて……滝本()敵にすん()たば()、南部氏()逆らう事と同ず意味。


 沼田は問う。


 「どうしますか。」


 (がわ)りは、ただただ(くれ)え。月は雲で隠され、(てら)っこさえも飛ばね(/\)。為信は決断する。はっきりど、その言葉っこば(/\)ゃべっ(/\)た。


 「決起す。」


 “津軽ば、(がめ)る”


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