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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
長子信建、出生 天正二年(1574)夏
85/105

亀裂 4/5

 逢瀬()重ねた。豊前屋()訪ねたその帰り、(わー)は伝也さんの小っちぇ(/\)屋敷(かまど)()る。


 花咲いたと()()緑は青々と茂り、黄色い葉っこがひらりと落ちていきます。……伝也さんは、(わー)の心の隙間()埋めてける()(なげ)え時間()かけて、傷ば(/\)癒すてける。


 夫とはかつての様に、何も(/\)ゃべん(/\)ねく()なってまった()。……そえでもいのだ。


 ……(おんじ)たちが死んで、二年経った。(わー)ど伝也さんの関係はまんだ(/\)続いてら()。夫だば()…… “防風” の策さ(/\)つきっきりだ。


 秋の夕暮れ。(わー)はむったど(/\)のように伝也さんの屋敷(かまど)()行くべどすた。ところが豊前屋の徳司が止めます。


 “わっ()きゃ()なあと(/\)成田様の関係()知っちゅう()。……殿()知られる(めえ)に、別れへ。さもねば()(わー)がら伝え(しかへ)ます”


 秘密の関係、ばれ()てまってら(/\)(わー)は伝也さん()ゃべり(/\)ます。へば()、伝也さんは答えた。


 “……為信がら逃げねば、二人の命はね()


 どうす。


 “……殺すべ”


 (わー)の心は、為信から離れてら()ばって()……殺すだなんて。恐れ多い(おっかねえ)ことだ。へば()伝也さんはしゃべり(/\)ます。


“あくまで、為信は大浦家の婿だ。(わー)が代わり()なって、おさまればい”


 ……そった(_/)こと、できっこ()。為信を殺せば、他の家来たちがすぐに(へぐ)()けて来るびょん()。目の(めえ)で伝也さんが倒れるの()()たくね。……(ふと)が死ぬのはこりごりだ。


 “大丈夫。そん時はおめが(/\)、大浦の一人(ふとり)(めのご)どすて(わー)ばかばってけれ()


 伝也さんは決意()固めたんた()。……(わー)は、信ずるすかね(\/)


 もす……伝也さんが殺されてまれば()(わー)一緒に(かでて)逝きます。

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