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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
長子信建、出生 天正二年(1574)夏
84/105

亀裂 3/5

 為信は変わってまった()(わー)()慰めの言葉っこば(/\)かけてける()ばって()、本心とは()()


 ……(わらし)ができれば、わん()つか()は違ってくるべか()。夫と会って五年。結ばれて一年。夫の来る回数は減るばす()。もちろん、忙すい()のはわかります。


 そった(_/)(わー)のしゃべる(/\)相手は、むったど(/\)(おんじ)たち。鼎丸と保丸、二人はたんげ(_/)可愛(めご)くて、まるで(わー)子供(わらし)のよう。……今はふとりぼっち。


 心の隙間()埋めてえ()。そう()った。すると侍女らは言い(しかへ)ます。


“最近、中央で茶道が流行ってら()と聞いちゃあ。領内では、城下の豊前屋という商人が嗜んでら()そうだ。一度、顔っこば(/\)出すてみだらどん()だべ()か”


 聞いたときは、正直行く気()なれね(/\)かった。日々()泣いて過ごしちゃあ()。瞼|ば閉ずると、かつての光景がまずまずど()えてまる()まんた(_/)開くと、何もね()


 ……すば()れる()冬は過ぎ、春()(むけ)えた。夫は北の方()行くようになった。なんでも “防風” の策ば(/\)練るとしゃべり(/\)(わー)と会うことはめっきり(そっくど)ねく()なった。わざと避けてら()だべ()か。


 (わー)はこの時……侍女のしゃべっ(/\)らった() “茶道” なるものばやってみようと()い立った。豊前屋()数人の侍女と共に(かでて)出向いた。


 すると徳司なる(ふと)()中心に五人の男がおりますて、茶道の稽古ばすて(\/)らった(/\)。今回は男だけだ|ばって、いいところの淑女も来るそうだ。


 椀()注がれたお茶は最初こそ渋いと()ったばって()、後になって舌の上さ(/\)ほのかな味わいが残ります。


 心の隙間()埋めるには相応すいものと()えたのだ。


 それからというもの、豊前屋()入り浸った。夫も許すてくれてらし(/\)


 すばらぐすて……(わー)は出会ってまった()。そのお方(ふと)は、成田伝也というお侍だ。きっと大浦の家来なんだべ()



……恋()落ちてまった(_/)のだ。


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