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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
長子信建、出生 天正二年(1574)夏
82/105

亀裂 1/5

 綱則はしゃべる(/\)


わー(/\)(とっちゃ)()伝え(しかへ)だのだ。鼎丸様ど保丸様、そすて殿。どうあん()べがど(/\)。」


 為信は黙って聞く。


「将来、どった(_/)形であれ、為信様ど二子が争うごどさ(/\)なれば……誰もが苦すみます(へずねえ)。」


 “そごで、“兼平盛純”どいう人物(ふと)の出番だ。気の病()臥せってら()(わあ)が、二子()連れ出す(かで)自分(わあ)ごど沈む。皆は、気が触れだんだがど()ってける()べか()


 “それに……かわいそうな我娘。(はえ)ぐ傍ら()行きてえ”


 静かな空気が流れる。


 為信は、綱則()酒ば注ぐ。


 綱則は、泣くのばまんず(/\)抑えてら()。杯()がばっ(/\)と飲み干す。


 ……わっ()きゃ()、犠牲の上さ(/\)成り立つ。なんとすても生き残んねば()()てら()ばって()、こうすて自ら死んでく(ふと)もいる。


 兼平は体()捧げて、最後の奉公()果たすた。


 尊敬する。




 ……葬儀(だみ)は始まった。為信は喪主とすて、戌姫は(かか)代わりとすて弔い()受ける。……(みじけ)えうちに(ふと)多ぐ(たんげ)()くなった。養女兼平の(めのこ)は戌姫と姉妹同然。科尻鵠沼はかつての家来。そすて……鼎丸と保丸。


 大光寺城の滝本は、為信の(めえ)()出でる。睨みつけ、罵る(さかぶ)


 “おめの(/\)企みだべ()さ”


 戌姫は、隣の為信()()る。為信は固まる。


 “なっ()きゃ()、お()乗っ取った(がめた)


 綱則は口ば(/\)出そうとすばっ(/\)て、為信は“まね()”と制する。不毛だ。


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