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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
偽一揆 永禄十二年(1569)正月
8/105

岩木山、雪の陣 2/5

為信は家来たち()頼む。


「なあ……こごは(わあ)()話しっこに行がせでけねべか。」


 家来たちは互いに(つら)()見合わせ、口々に馬鹿にすてら()声漏れる。森岡はその癇癪ば押さえつつ、荒れちゅう肌の面ば引きつらせながら、為信ばまずまずと()た。“はあっ” とため息ばつき、"(なん)ばしゃべっ(/\)てら()、この(わけ)えもんが" ど言わんばかりだ。


「話っこさ(/\)応ずで、引ぎ上げるんた輩には()えねばって……。」


 為信は続けた。


(わあ)()、秘策がある。」


 まんず( ̄\)自信があるように言葉()発すたばって、森岡は一笑にふす。


なあは(_/)大切な御身……鼎丸様がおがる(/\)まで、大浦家のお殿様でねきゃ(/\)まね(/\)。」


 “そった(_/)お方が単身で乗り込むなど……甘くせく(/\)ねえが(\/)” 

 同ずく(わが)りの家来たちも続けた。


 ……ここで森岡は考えた。……(ふと)試す()に、やらせてみようかと。


「まあすかす(/\)だな……これも経験のうぢ。行ってみなされ。」


 “もす戻ってごねで()も……幼主鼎丸様()(がわ)りの家来で盛り立でるはんで。ご安心してけろ”


 為信の心は、煮えたぎっちゃあ()。森岡はわざと聞けるか聞けねか(/\)の小声でこった風に挑発すてきた。……ここで腹っこ立てて争い()おかす(/\)てみろ。説得どころでねくなる。


 為信はまんず落ち着いたふりっこすて家来衆と別れた。



 (ふろ)い原野さでる。一面の(しれ)え世界。その先()杉の山がある。ところどころ元の色っこ()え隠れすてら(/\)


 一人、あさぐ(/\)。付き添いの(ふと)もつけれねえで、ただ孤独であった。ここでくたばればいのにと()ってら()(ふと)もいよう。"……絶対に、でがし(/\)(けえ)るのだ"



 向こう側から、(ふと)()っこ()乗ってくる。……面松斎だ。


 為信の(つら)は、どうなっちゃあんだべ。

制作に関わりました編集者です。ありがとうございました!


だっじ@etcSORA

@SoraikeYoh


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