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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
大千同盟 元亀二年(1571)晩夏
77/105

二子殺し 1/5 +大光寺城絵図

 次の日、八木橋は三戸()出立すた。数人の家来を共に(かでで)、東へと道()進む(あさぐ)


 後()()送ったのち、為信と沼田は城で一番(たけ)え櫓()上った。下()(ふろ)い平野、賑わう町、(ふと)の行きかう姿っこが()える。(たけ)えところ()いでも暑いのには変わりね(/\)ばって()……風がそよぐ(ふつける)だけいいんだか。


 為信は、独り言のようにしゃべる(/\)


 「“防風” ど “治水” がなれば、田畑は(ふろ)がる。田畑が(ふろ)がれば、万民が土地ば(/\)持づようになる。万民が土地ば(/\)持でば……在来の民ど他国者の差はねぐ(\/)なる。」


 万民……つまり、田畑が多くなれば他国者にも土地ばけれ(\/)る。貧民も豊かさなり(/\)、浮浪することもね()。万次党のような……徒党ば組む(たがる)必要もねく()なる。


 沼田は、“はい”ど だげ相槌ばす、為信ど同ず方()眺める。


 「わっ()きゃ()、まだ(あめ)えが。」


 為信は不安そうに沼田()問う。沼田はゆっくりと首ば(/\)振る。


 「そうが……。」


 雲(ふと)づね空。終わり(しまい)の暑さ()楽すむ。


 「……わっ()きゃ()殺す(やる)つもりだ。」


 沼田は、万次のことがと()った。二度目だばって()、改めて何()ゃべる(/\)のが。


「鼎丸ど保丸、いずれは殺す。」


 おもわず沼田は、持ってら()扇子()落とすた。それは(たけ)え櫓からひらひらと、宙()漂いながら落ちてく。


 「家中での争いは、民ばも()苦すめる(へずねくす)。南部の内紛()()でもわがるべ。」


 "はい。しかし……"


 「昔どは(ちげ)えんだ。」


 そうしゃべる(/\)と、為信は梯子で下り始めた。沼田はだまって後()従う。


 まさに今、梟雄にならんとすてら(/\)




大光寺城絵図

https://18782.mitemin.net/i290578/

挿絵(By みてみん)



編集に関わった方です。ありがとうございました!


まほまほ

‏@maho_maho13




2018/02/15  挿絵に関して


出典元:特集 津軽古城址

http://www.town.ajigasawa.lg.jp/mitsunobu/castle.html

鰺ヶ沢町教育委員会 教育課 中田様のご厚意こういに与あずかりまして掲載が許されております。小説家になろうの運営様にも、本文以外でのURL明記の許可を得ております。


光信公の館

〒038-2725

青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字種里町字大柳90

http://www.town.ajigasawa.lg.jp/mitsunobu/

TEL 0173-79-2535


鰺ヶ沢町教育委員会 教育課

〒038-2792

青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字本町209-2

TEL 0173-72-2111(内線431・433)



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