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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
大千同盟 元亀二年(1571)晩夏
75/105

命乞い 4/5

 八木橋の(つんづ)けざまにしゃべる(/\)様ば()て、隣の森岡はばすっ(/\)と怒鳴った。


 「八木橋。殿がしゃべる(/\)でねど(/\)申すたでねが()わん()つか()慎め(やめへ)。」


 頭の回るんは認めるばって()、殿()は殿のお考えがあるのだ。森岡は八木橋()諭す(しかへる)。八木橋はというと、元はお()(わー)()話ば振ったんだべさ()()ったばって()まんず(_/)口ば(/\)おさえた。


 森岡はため息ばつく(/\)。そすて向かい()座る沼田に問うた。お()はどう思う(もる)と。沼田は一回だけ礼ばす(こまり)、ゆっくりしゃべり(/\)始めた。


 「大浦家は大きい存在になりました。……偶然にも騒動を治め、旧石川領を併せた。このようなときです。独立どうこうと申すよりも、周りをもうすこし見るべきかと。」


 周り(がわり)……。


「はい。特に新当主がどう思われているか。不穏な動きがあるなしに関わらず、旧領の返還を求めて来たらどうなさいます。」


 南部信直は南部の新すい()当主。彼の一存でまるっ(/\)と決まる。もす彼が為信()倒せといいづければ、自らは動か()でも孤立は免れ()。滝本だけでねく(\/)、立場復活の機会だとすて千徳も攻めでくべ。例え津軽統一()めっと( ̄\)すたとこで、四面楚歌ではきつい。


 ここで為信は口ば(/\)出す。


「沼田のしゃべる(/\)とおりだ。信直公がどった(_/)(かんげ)えだが、今一度確かめる必要があるんた。千徳のごどよりも大事なごどだべ。」


 “八木橋、行ってみるが”


 八木橋は “(わー)だか” ど驚ぐ。本来だば()兼平が適任だばって()、今は臥せってら()。森岡はこった(_/)こと苦手だべ(まねんた)し。お(めえ)だはん(/\)でこそ、頼めることだ。


 彼はすばらく黙ったままだったが……隣の森岡()()叩かれた。なんも(_/)怒ってねえ()わん()つか()笑顔で、まるで“行ってごいへ(/\)”どしゃべら(/\)ばすの(/\)(つら)っこだった。


 かくすて、八木橋は信直のいる三戸に向かうことさ(/\)なった。千徳の件は明日するとすて、話す合い()お開き(しめえ)すべか(/\)としちゃあ()そん時。家来の一人が外から()けてきた。


 「千徳政氏様、自ら参上すちゃあ。」


関わった編集者です。ありがとうございました!


だっじ@etcSORA

@SoraikeYoh


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