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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
大千同盟 元亀二年(1571)晩夏
73/105

命乞い 2/5

 夏はそろそろ終わる(しまう)べか()。穂が垂れるには(はえ)えばって、きたる収穫が待ち遠すい()頃合い。


 大浦城では、家来()集めて(たがらせ)話す合いをしちゅう()。広間の上座には大浦為信。手前(てめえ)()は森岡や八木橋は当然のこと、新すく沼田祐光も座る。誰()家来()すべとも、反発する(さかぶ)(ふと)いねく(/\)なってら()


 ……為信は家来の顔ぶれ|ば()る。二人ほどいるべき(ふと)いね(_)。兼平と小笠原だ。為信は森岡()問う。


「はっ……。兼平殿はその……臥せってら()。」


 伏せる……。どこか調子(あんべ)悪い(まね)んだか。


「いえ……(さきた)の騒動で、(めのこ)ばねぐ(\/)すてら(_/)はんで()。気の病だべ()。」


 (めのこ)が嫁ぐのは誰もが通る道。だばって()まさか毒殺()巻き込まれるなど……誰が考えるべか。“仕方ねえな” と()いながら、次に小笠原のことば(/\)訊く。


 「はい。……武者修行どが。」


 内実は知っちゅう()。小笠原は万次()確実に仕留めるために、大浦家()離れた。性格からすて、逃げたんでね()ことだけはわかる。……もちろん、他の者は沼田以外(しら)ね。


 森岡は一旦落ち着くと、手元()ある(なげ)え文章()()取り、本題()()った。むったど(/\)兼平の役目だったばって()、彼はいね(\/)。代わりに役ば(/\)こなす。


「さで、浅瀬石の千徳ばどうすが否が。意見のある(ふと)はしゃべり(/\)へえ()。」


 森岡はそうしゃべる(/\)と、すぐに隣の八木橋()(つら)っこ()向ける。心積もりがある前提だ。八木橋は苦笑する。


 「千徳の仲だがいの噂っこは前々がら聞いちゃあ()ばって()……まさが我ら(わたち)より滝本様が先手()打づどは()わね。」


 為信は頷く(こまる)


 「このだびは滝本様の手柄。大浦家が旧石川領()持ったように、滝本様が浅瀬石()持づごどさ(/\)なるべ。」


 そうなれば、滝本の力は強まる。いづが大浦の敵になれば恐ろしい(おっかね)。あの武勇知略()優れる男……味方だば()たんげ(/\)(つえ)えが。


 そった(_/)彼は大光寺の遺子()抱え、ずっと忠義()果たすてら()


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