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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
万次党、従属 元亀二年(1571)夏
69/105

運の強さ 3/5

 風向きは変わる。九戸らは逆に攻められてまって()城ば(/\)包囲されてまった。そのうち雨が降り始め、城中はたんげ(/\)まね()気分が漂う。


 九戸勢は西さ(/\)密使()送り、救援()求めた。千徳氏や万次党()届けられたばって……こちらも旗色がいくね(\/)。科尻と鵠沼が主導すた堀越騒動は、為信が見事に鎮圧。九戸勢が完全勝利する前提で動いてたはんで()、目論見より外れ(はんずれ)まった()


 すかも為信は、黙ってら()だけでね()。手始めに鯵ヶ沢()兵三百()置き、家来の秋元()現地()送った。

 科尻と鵠沼があんき(_/)兵ば(/\)動かせたのは、決すて万次党のみの力でね()。資金面で大商人の理右衛門より融通()受けてら()()われる。十丁の火縄も問題だ。戦で用いられたものだが……為信()()付いてら()ことさ(/\)なる。


 “一丁手()入れるだけでも大変”


 “一丁だげ持ぢ合わせでら()はんで( ̄\)、殿が使ってけれ()


 このようにしゃべっ(/\)ておいて、裏で万次ら()十丁も渡す(ける)とは……許すがてえ(/\)。グルだ。


 秋元は徹底的に、理右衛門の動き()監視する。目立った動きは()受けられね(/\)かったが、文句()ゃべっ(/\)てく。


わーが(_/)いねば(/\)、津軽()すい()商品が届がねぐ(/\)なるべな”


 為信は考えだ。だば()他の商人()城下()呼ばってまれ()と。これまでの状態がおかすかったのだ。一軒のでけえ(/\)商家が独占し、物品()取り扱う……値()吊り上げ放題でねか(_/)。結果とすて(じぇんこ)()損させ、民の困窮が増す。


 理右衛門は腹(ぐれ)え。これまでわっきゃ(/\)まんず()簡単に、手玉()取られてらん()だ。情報()小出にだすて親密さ()求め、火縄()一丁だけ与え()て満足させる……(わー)が甘ちゃんだったとしゃべら(/\)れればそこまでだばって()……どうすたものか。他所から商人()集め(たがらせ)ることにすた。


 すると……商人の耳の(はえ)さは恐れ多い(おっかねえ)。すぐさま秋田より豊前屋徳司と申す商人が参上すた。大浦城下()店ば(/\)開かせてけれ()という。

 こやつ……まさか安東の差す金かも知れね(/\)えが……乗ってみよう。理右衛門とこの豊前屋()競わせ、物の値()下げる。理右衛門だけに儲けさせはすね()

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