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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
万次党、従属 元亀二年(1571)夏
63/105

家来を斬る 2/5

 津軽()まんた日っこ昇る。それはいつすか(たけ)く輝き、やがて西の彼方さねく(\/)なる。(ふと)に生あれば、死があんのと同ず。


 誰問わず寝てね(/\)。大浦城では朝(はえ)く、まんた軍議が開かれた。


 焦点は、石川城()攻めるか否か。


 大浦()騙り、郡代()殺すた。その罪は(おも)で。ただすあちらには主筋の鼎丸と保丸がいる。攻めるのも、義()伴わず忠でね()


 為信さ、家来一同は決断()迫った。


 ”はえぐ石川城()みへ()


 大浦軍千五百は、その日の内に石川城()取り囲んだ。大浦が大浦の軍勢()囲む事態()、“救民” の兵士らは困惑すた。元々は大浦家が兵()集めちゃあ()はんで参加すた(たがった)のに、この事態はなん()なんず()と。動揺が(ふろ)がった。


 科尻と鵠沼は、逃げ出そうかと相談する始末。ただ……もうここまで来てまった()。山の向こうの九戸らが信直()倒せば、ここさ(/\)援軍が来る。それまでの辛抱だ。なによりも鼎丸と保丸はここさ(/\)いる。


 ……城の外。大浦の本陣よりわん()つか()離れたところ。小(だけ)え丘の、でったら(/\)だ木の元。なんの木だべ()か……名っこわかん(/\)ね。枝には、黄色いちゃ(_)っこい(/\)花がついちゃあ。


 為信は乳井と立って話()する。


「約束する。岩木山の復興は、大浦の力でかって成す遂げる。」


乳井は応ずだ。


「わがった。仲間(けやぐ)らど通ずで、二子()()連れ出すます。」


 ここで、為信はため息()つく。木の根元()背中(へなか)()かけ、ぼんやり(ばふらっ)とすだすた。


 乳井は、いますぐ立ち去っていいんだか()と戸惑う。毒気もまんだ(/\)抜けてねえ()のか。


……それは愚かな(はんかくせえ)(ちげ)え。


 頭の中はたんげ(_/)冴えわたる。すかも為信の心うちは、以前と以後でまんず(/\)異なる。甘さは既に消え失せた。


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