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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
堀越騒動 元亀二年(1571)春
60/105

死に賜う 4/5

 夕暮れ、日は落ちかける。為信は(ふと)人、厠で気()取り戻す。


 体のあちこちが(いて)え。ばって()わん()つか()楽さ(/\)なったか。


 大広間()向かうべと()、厠の戸()開ける。


 ……まんず(/\)黒い血で、壁さ(/\)弧が描かれる。これは刀の先端(さきた)から、勢いよく飛ばされたか。廊下()は、手ぶらの(ふと)が倒れてら()。それも(ふと)でねく(/\)、二人、三人……。傷は(ふけ)く、骨まで()える。


 ここさ、生きてら()(ふと)いね()


 大広間には、名士らが哀れな姿となっちゃあ()。為信は大光寺の体()起こす、(つら)っこ()覗いだ。灰色()変わってまり()、口周りに血がこびりついちゃあ()。……毒のせいか。政信も同ずだった。


 ”こった(_/)ごど、誰がすた”


 ”なして()


 ”何の恨みがあるんず()



(とお)けで、足音がすた。為信は部屋の奥まったところに身()隠す、刀の鞘()()当てる。


 誰が()


 襖の向こうで、足は止まった。


 敵か、味方か。


  …………


 ……おっか(_/)ねえ()(つら)の男、武具()身に着けた姿で現れた。その場で片膝()つき、為信()一礼ばする(こまる)


 「えが()った、ご無事で。」


 為信は問う。薬師は答えた。


 「生ぎでらど、信ずでました。」



”……今は逃げるべ。(はえ)ぐ大浦城()。家来が(くう)ちゃあ()はんで()


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