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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
偽一揆 永禄十二年(1569)正月
6/105

初めての策謀 5/5

 ……()る機会()うかがう。


 障子の向こうで光っこ漏れる。中()いるのは十人ぐれえか。各々真剣に、裏返された茶碗()()つめてら()

 万次はその茶碗()揺り動かすた。賽子は中でコロコロと音ば(/\)立てる。万次ががぱ()っと() “蓋” ()開けると、(がわ)りの(ふと)はそれぞれの表情()浮かべる。笑う(ふと)、泣く(ふと)(さか)(ふと)。酒も()てら()はんで()、感情の起伏がでけえ(/\)

 負けた(ふと)から、じぇんこ(_/)()とる。勝った(ふと)さは()ぇんこ(_/)()与え()る。……ここでは在来の民と他国者、平等だ。



 万次は面松斎()気付く。幽霊みんた( ̄\)奴だなと早速からかった。障子の隙間から()えたもんだはん(/\)で。彼はその皺だらけの(つら)()面松斎()向けた。


 面松斎は万次と(かで)て、荒れ野()海の方()(あさ)ぐ。


 万次は問う。


「……そのわげも(/\)ん、信用できるんだか。」


 面松斎は答えた。


「はい。見込みある、素晴らしい青年です。」


 南部の家来衆には珍すい()我達(わだち)のことも()てける人物(ふと)。なかなかいねえと。万次は問う。


「そえで……禄ば(/\)ける(/\)ど。」


 面松斎は "そうです" と続けた。万次の(つら)は普段から悪人の面構えでれ……たんげ危ね橋ば(/\)渡ってきた彼の、人生そのものだんた。



 万次はしゃべっ(/\)た。


んだ()。乗ってける(/\)べ。」


 ……いいんたなら、為信の大浦家ばも(/\)乗っ取る。万次は失敗すた時の損よりも、成功すた時の利がはるかにいいと判断すた。


「やるんだば()、華々すく荒らすべ。」


 万次はひらめいだ。為信の手(めえ)、領民()殺すたり財()(がめ)る事はまね()びょん()。ただ一つ、許される所。……それは岩木山。

 そこは、大浦家の領内だ。加えて山法師女ば()え去って、不犯の定め()破ってら()と聞く。そこへ我達(/\)が押す入って、法師()倒す。ついでっこに役得()預かる。

 支配者層がこれまで手出すできね(/\)かった “聖域”。どんき(_/)乱れていようとも、静観するすかねか()った。そこば(_/)潰すのだはん(/\)で、為信にとってもいいことだべ()



 万次は他国者()中心に、仲間(けやく)(たがら)せた。

編集に加わっていただいた方です。ありがとうございました!


もり@ネリスキー

@yuunaoi


だっじ@etcSORA

@SoraikeYoh


まほまほ

@3IVOZTQ5pxedz57

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