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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
堀越騒動 元亀二年(1571)春
56/105

不穏 5/5

 薬師は脈()とり、額()()当てた。なんぼ(_/)か質問し、それさ(/\)基づいて有り合わせの漢方より薬()作る。


 ……()だところ優秀らすく、あっちゅう()間に(ふと)つこすらえてまった()。薬師はしゃべる(/\)


 「殿は(わけ)はんで()、自力で治すてまった()。たんだ……もうわん()つか()養生はいるんた。それまではこれば(/\)飲んでけえ()。」


 為信からは、笑みがこぼれた。そった(_/)ふうにできる余裕も生まれてら()。薬師も表情()やわらげ、侍女も安心しちゃあ()。ここで薬師は目くばせばすた(\/)


「こっからは女子(おなご)いね()方がいいんだばって()……。」


 侍女は男性特有の話っこかと()い、その場から退いだ。薬師はだまって足音の離れるの()聴いてら()そった(_/)にも慎重なんだか。


 すると、急に改まった。そすて口ば()開く。


「面松斎殿のごどだば()って。」


 面松斎……。ある時からぱったりと会わね()くなった。なすてその名()出す。


「わーも、彼の占い(はっけ)()頼る身だ。」


 今は鯵ヶ沢から高山稲荷()戻ったという。先日、占ってもらったそうだ。なすて()移ったかと問うと、そこまでは教え(しかへ)てもらえねがった。ただ……。


「何が起ごるがもど、におわせでおいでですた。」


 起こったのは確かだ。裏切り()疑われ、家来二人の八戸まで密行。さらには兼平の(めのこ)ばも()差す出すた。


「薬師にでぎるごどどしちゃあ()……こんき(_/)ぐれえな物。」


 そうしゃべる(/\)と、(しれ)ちゃ(_)っこい(/\)包み()差す出すた。


 為信は問う。なん(_)なん()だば()と。


 薬師は答えた。


「毒消すの薬だ。」



……いざというとき、使ってけれ()


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