表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
方言版 津軽藩以前  作者: かんから
野崎村焼討 元亀一年(1570)初冬
49/105

火は放たれた 3/5

 日っこ(_/)暮れて、丸い月が上がる。火の勢いは弱ま(やわぐな)り、(とお)けからは黒い塊にすか()()


 為信は火が収まったのち、早急な(こんばやく)住居再建()命ずた。暮らしちゅう()村人の為であるし、これは野戦時の陣地構築の訓練()もなる。(ばんげ)はんで()としゃべっ(/\)ても、戦は待ってくれね()


 計画すてから今日までに整えた材木は、大浦城より運び出された。元から城()蓄えてら()分もあったはんで( ̄\)、不足はね()


 為信は、本陣より金槌の響く音()聴く。村民の住処(かまど)は木の小屋がたんげ(_/)で、総出でかかれば二日三日で(しま)びょん()。雪降る(めえ)にすべてが済む。


 来るべき戦()備える。今回の訓練は、でったら(/\)だ収穫だ。


 ……兵らの中()、科尻と鵠沼もいた。材木()運ぶ手伝いばすてら(/\)。二人の心には一抹の不安。果たすて、企みは()くいくのかどうが……。山の向こうで起こった “屋裏の変” にかって()、時期は早まった。


 絶対に漏れてなんね(/\)。大浦家()乗っ取り、万次党が決起するために。


 為信と親すい()他国者は……小笠原だば()()たちで何とかなる。問題は……面松斎。万次様とも親すい()彼から為信()話ば伝わ(しかへ)れば、なんもまねく()なる。


 “面松斎を捕まえよう”


 二人の意見は一致すた。ずっと万次様の傍より離さ()


 ……すばらくすて、ドカ雪っこ降った。そった(_/)時、二人は面松斎()()ばる。“()たち二人のことば(/\)占ってけれ()” と高山稲荷で落ち合う(たかる)ことさすた。


 夜、地面()()てら()動物たちは(_)ぐらさ(/\)(けえ)る。その足跡にはちっけえ(/\)物やでけえ(/\)物がある。月明かりは(がわ)りの白原()照らし、その窪みの黒()一層際立たせた。


 新たに(ふと)の足が加わる。面松斎は久すぶりに高山稲荷()戻るべと、ひたすら(あさ)ぐ。輝がすい()光が(とお)けに()えてきた……もうわん()つか()でつく。


 この人物、偽占い師だとこで、己の運命()()ることはできね(/\)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ