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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
野崎村焼討 元亀一年(1570)初冬
45/105

密談 4/5

 為信は(かんげ)えた。……譜代の臣と他国者の違いに限らず、力っこある(ふと)()()いだせれば、まんず( ̄\)いんた( ̄\)ことか。正直これまで目ば(/\)内側()やるのを疎かにしちゃあ()。それは元々彼らが “婿殿(もご)” という蔑視により協力的でね()かったはんでだ。


 為信の力が認められちゃあ()今、改めて家来の力量()把握するいい機会かもすれね()


 「来年は必ずでったら(/\)だ戦っこ起ごる。新すい()戦いの仕方さも()いぐ()すように、兵の訓練()するべど()う。その時に譜代の家来()は、小笠原以上の活躍するごどば(/\)期待す。」


 兼平は“いいんた( ̄\)考えがど存ずます” と相槌()うつ。森岡も同意す(こま)る。


 「働ぎがいいんた( ̄\)者さ(/\)は、それ相応の立場もけるし(/\)、格()引ぎ上げるべど思う。」


 中央では織田家が徹底すた能力主義()敷いてら()という。新すい()戦の時代はきっと、能力が(たけ)く変化に対応できる(ふと)が勝つ。火縄()入手できれば勝ちというわけでね()ねえ()ならねえ()で、あるもんでどんき(_/)(つえ)くできるか、(かんげ)えることのできる(ふと)上さ(/\)いるべきだ。


 為信は続ける。


 「なるべぐ実戦()(ちけ)え形で……雪が降る前にやりでえ。そんだな(/\)……(ふと)づの村ごど借え切って、演習()やりでえ。」


 戦はなんも(/\)平原ばすで(_/)やるわけでね()。浜辺があれば、森林もある。なかでも民家ほどまね()ものはね()なんぼ(_/)でも隠れることができ、民衆()紛れることもできる。誤って民()討ってまれば()……その土地からの支持は得にけえ()


 すかす……どこでやるか。兼平は即答こそすね()ばって、(ふと)つ案()だす。


 「野崎村はどうだべか。」


 (ちけ)くさ川と森があり、様々な訓練ができる。特にこの村の家々(かまど)は寂れてまって()、火攻め()すても新たに立て直せばい。民にすても、新すい()()をければさぞ満足するべと。


 「殿。では準備整い次第、皆さ(/\)伝え(しかへ)るべ。」


 だばって( ̄\)為信は止めた。ある心積もり()持つ。


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