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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
野崎村焼討 元亀一年(1570)初冬
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密談 3/5

 信直は為信()恩義()感じちゃあ()。これまで通り忠誠()尽くせば、()返りもでっけえ(/\)はず。それは為信さも()わかる。


 兼平はわん()つか()()落とす。


 「ばって(_/)、どってこいだ……。この北奧の田舎で、火縄()十丁も持づ男がいだなんて……。」


 為信は一丁だけ持つ。それも運よく譲られたものだ。買うには……大金が必要だ。大浦家は他家と比べ(じぇんこ)()ったど(/\)持つばって()、火縄ほど手の遠いものはね()


 それば(/\)信直は十丁だ。どった(_/)手段ば使ったんだか。


 森岡は口調()きつくする。


 「……戦が変わるべな。」


 危機感が漂う。兼平は言葉っこば(/\)加えた。


 「もぢろん、九戸も必死になって火縄集めに(はけ)びょん()。津軽でも、他のてらん(/\)どが同ずごとば(/\)(かんげ)でら()はず。」


 ただす、湿気()弱え(やわい)という(まね)点がある。雪国でそれば(/\)どう克服(いく)するかという問題は残る。果たすて気づいてら()か。かつて家来の小笠原は冬の間、がぱっ(/\)と松明()焚いて火縄()乾かすた。確かに有効だ(いいんた)が……なんぼ(_/)(じゃんこ)がかかることか。


 為信は応えた。


 「小笠原()、火縄の入手にづいでまでえに聞いでおぐ。」


 次に“さで、九戸の件()どうすが……” と考え()移るばって()、ここぞとばすに森岡は為信()詰め寄った。眉間さ皺が寄ってら()。炎は揺れた。


 「最近、殿は他国者ばす(_/)優遇(いぐ)なさる。もぢろん小笠原殿の力量は認めちゃあ。だばって()……そう思わざるば()得ね()。」


 兼平は首()振り、だまって森岡()()る。森岡は兼平に “仕方ねべし” と文句()ゃべっ(/\)た。


 為信は……確かにそう()えるかもすれね(_/)と思()った。小笠原()限らず、面松斎もすかり。……ただすそこさ(_/)、最初の頃の幻想はね()


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