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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
屋裏の変 元亀一年(1570)秋
40/105

毘沙門堂 4/5

 (ばんげ)、東から吹く(ふつける)(やまへ)(さんび)い。晴政は()()跨り、歩い(あさい)で従う兵ら()束ねる。


 城ば(/\)下ると、三戸の町がある。その真ん中()丁度割くように馬淵川が流れる。兵らは堂々と民家()横に通り、橋()音立てながら渡った。民衆は(_)なん()だば()と布団()はねのけ(よけて)、小窓より軍勢()覗く(める)。誰もがこれから起こるんた( ̄\)まね()ことば(/\)予感すた。


 町ば(/\)通り過ぎた。これより石段()登り切ると、毘沙門堂。相手は小勢、まんず(_/)五十人。すかも武装すてねくて()、不意打ちだびょん()


 晴政は兵ら()一面に(ふら)がるように指示()出す。兵らは丘()囲むように位置につく。


 ……皆々、頂き()目指す。


 ……


 晴政の軍勢は(ちけ)づく。毘沙門堂の兵らは足音()耳ば(/\)立てる。林の合間()、白鶴の旗が()えてくる。


 信直は、火縄()弾と火薬()込める。ほかの兵も同様にす、小窓より晴政がくるんた正面()構える。


 ……一頭のでっ(_)たらだ( ̄\)()、男()乗せて現れた。かつてより肥え太り、酒の臭いがこちらまで漂ってく。


 男の後ろに、わったど(/\)兵らが付き従ってら()わん()つか()、もうわん()つか()……。


 信直は、目で合図()送った。


 十丁もの激すい()爆音、夜空()響く。初めで聞く音さ(/\)()は前足()高く上げた。大将は崩れ落ち、その場に土ば(/\)つく。周りの兵らが慌てて()けてく。大将は、“なん(_)もね()” とでもしゃべっ(/\)たんだべか()、兵は気()取り直しこっち()迫る。


 すると、ふたたび爆音。毘沙門堂より放たれた。前()進み出た兵は、無残に倒れてく。これが好機とばすに(_/)、槍や刀()持つ味方は堂より出る。乱戦が始まった。


 信直は堂より出でず、ひたすら大将の晴政の様子()うかがう。()さ跨るべと()すも足ば(/\)引きずってら(_)か、挫いたんだべ()


 動けねえか。今こそ、天の代わりに罰()与え()る。彼の銃口は、晴政()向く。途中で目の前()横切る敵や味方、一直線に当たる時()狙う…………三、二、一……放つ。


 その弾は、晴政の右のふととも()貫いた。

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