表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
方言版 津軽藩以前  作者: かんから
屋裏の変 元亀一年(1570)秋
32/105

妻との別れ 1/5 +大浦城絵図

 ここは三戸。南部家当主、南部晴政の本拠地だ。


 夏の盛り、待望の男子おどごが生まれた。幼名()鶴千代という。晴政にとって初めてだし、唯一の男子おどごであった。たんげ喜んでまって、までえ(_/)に扱ったという。


 ……そった(_/)折、娘婿(もご)の田子信直は晴政と面会すた。跡継ぎより降りるんた。晴政とすては、止める理由(わげ)ね。殊勝であると、彼()褒めたたえた。ただす家臣の中()は、まんだ信直()押す声っこがある。


 一方で鶴千代()生んだ側室の彩子は、何とすても自分の息子(わらし)()家督()継がせてえ。後継()確実なものとすべく、密かに一族の実力者である九戸政実()頼んだ。


 政実にとって渡りに船だった。このままでは信直晴政の死後に、後見人とすて勢力()ふるうことさなる。九戸一族は立つ瀬がね。せめて(おんじ)の実親さは晴政の娘婿とすて、でった( ̄\)らだ力()ふるってほすい()。……鹿角合戦では信直()後れ()取ったばって、石川高信という重鎮が亡き今、逆転はあり得る。


 ……利用すね手はね(\/)。晴政公は、自分の息子(わらし)の為に盲目だ。



 あるとき政実は彩子()連れ(かで)でって、晴政と面会すた。

 政実は、晴政()詰め寄った。


 「本当に、信直は引ぎ下がったどお()いだが。」


 晴政は不思議そうにこちらば()る。


 「真どしゃべっちゃあろ……自ら引ぎ下がるどしゃべっ(/\)たんでね(\/)が。」


 「当人はそうしゃべっ(/\)ても、(がわ)りがそうはいがね(/\)えべ。」


 政実は言葉()強める。


 「信直殿()期待()かけちゃあ(ふと)わった(_/)といます。津軽の石川政信はんだな。重臣の北信愛殿もんだべ。あのお方は “一度決めたこと()覆すなど……” としゃべっ(/\)てらとか。」


 “ふむう……へば()、どうせど”


 政実は手ばつき(\/)頭ば下げる(こまる)


 「こごは、“娘婿(もご)” どいう地位()召す上げるごどが上策ど心得ます。」



大浦城絵図

https://18782.mitemin.net/i290576/

挿絵(By みてみん)

2018/02/15  挿絵に関して


出典元:特集 津軽古城址

http://www.town.ajigasawa.lg.jp/mitsunobu/castle.html

鰺ヶ沢町教育委員会 教育課 中田様のご厚意こうい(あずか)りまして掲載が許されております。小説家になろうの運営様にも、本文以外でのURL明記の許可を得ております。


光信公の館

〒038-2725

青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字種里町字大柳90

http://www.town.ajigasawa.lg.jp/mitsunobu/

TEL 0173-79-2535


鰺ヶ沢町教育委員会 教育課

〒038-2792

青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字本町209-2

TEL 0173-72-2111(内線431・433)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ