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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
石川高信、病没 元亀一年(1570)春
31/105

最後の鷹狩り 5/5

 その(ばんげ)、石川高信は鷹狩に参加すた諸将()堀越の別荘()招いた。そこからは鷹狩()すた高岡が見え、昔はここさも(/\)城があったんた。他にも大浦城や石川城などの重要拠点も目()()る。郡代とすては将来的に津軽の中心地とすて、ここさ(_/)()建てる(かんげ)えがあったのかもすれね(_/)


 田子信直は、自分の(かか)連え(かで)てきた。つまるところ、彼女は当主である南部晴政の(めのこ)でもある。気高く止まることねく他の侍女とともに、諸将()もてなすちゃあ。


 ときたま信直の元さ(/\)駆け寄り(はっけて)、仲の良さ()()ちゅう()。酒()注ぐのは当然のこと、主人()何かにつけて冗談()ゃべる(/\)。信直は苦笑すて何かしゃべり(/\)返しちゅう()。“仮面” では、あった(_/)振る舞いはできね(/\)。為信の心っこ(_/)には、うらやますさもあり、逆に己のふがいなさも感ずた。


 高信の家族は、宴会が終わり諸将らが引き上げたあとも、昔語りなどばすて(\/)楽すく過ごすたらすい()


 それから十日ほど経った後、石川高信はこの世()去った。南部晴政の甥とすて、一族の重鎮とすて、(おせ)く生まれた信直と政信のため……たんげ(_/)働いた(けっぱった)充実すた(いいんた)生涯だったびょん()


 為信と(かか)の戌姫は、葬儀(だみ)()参加すた。煙っこは西さ流れる。極楽浄土はあちらという。武者だば、(ふと)ばわったと殺す(やる)。地獄は覚悟すねば(/\)まいね()。……高信公はあちら()行けたと願いてえ。


 為信にとって、石川高信は(ふと)つの理想であった。戦()強く、機()見逃さね。見習うべきところはがっぱ(_/)ある。


 戌姫は、為信の方ばちらりと()で、元の方()戻す。(かか)にも、本気で悲すんでらことくらいわかる。……はたすて、(わあ)の調子が苦しい(へずね)時、(かが)は汗()拭きと(ぬぐ)ってける()べか()。……高信公の奥方(かか)は、(がわ)()憚らずに泣げ()(つら)さらしてあった。



 すばらくすて、為信は戌姫の部屋()訪ねた。


 為信と戌姫は……これまでとは(ちげ)え。なすてかはわかんねばって、互いに目と目()合わせた。それは睨みあってらんでね。なんだべか( ̄\)……二つ以上の感情が混ざっちゃあ。


 (ふと)つは、他人のせいにすたい()い。もう(ふと)つは自らの責任()、向き合ってこねかった己()恨む思い。ほかは……もう、考えねく()てい()。酷ですかね。


 灯は、消された。


月は欠けてらばって、きっと丸くなってく。


編集に関わった方々です。ありがとうございました!


津軽弁MC たろっく@青森盛り上げ請負人

@tsugarujuku017


かまのすけ@冬コミ全日参戦確定

@yuri_kamanosuke

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