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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
偽一揆 永禄十二年(1569)正月
3/105

初めての策謀 2/5

 為信は口ば(/\)あけるべとすたばって()、息っこ詰まる。激すく()せき込む。おもわず面松斎はわん()つか()だけ笑ってまった( ̄\)


 「為信様……そんなに慌てることはございませぬ。面松斎はここにおります。」


 面松斎は為信よりなんぼ(_/)か歳っこがよけえだ。家中のはぐれ者(はんつけ)である為信の……兄的な存在でもあった。


 「まいねじゃ()。……まんず、初めでだはんで。」


 「そうでございましょう。……初めての “策謀” ですかな。」


 為信はまんた(/\)慌て、せき込みすぎて、胸元(つれ)え。面松斎にとっては、可愛(めんこ)(/\)(しれ)え。


 「ええ。そうですね……鼎丸と保丸、二人とも殺せということですか。」


 面松斎はにやりとすて、まんだ(/\)下ば(/\)向いてら()為信()しゃべりかけた。為信はたんげ(/\)首ば(/\)振った。振りすぎんたにも()える。


 確かに……実子(わらす)の鼎丸と保丸()()てまれ(/\)ば、家督()()る必要はね()。必然と為信の地位は安定し、力っこ(つえ)くなる。


 為信はだいぶ落ち着き()取り戻す、襟元()正すた。


 「(わあ)は家督がほすいんでね(\/)。認められてだげだ。力っこば(/\)づげで、新だなる施政()行う。」


 "ほう……何をしてほしいので"


 「"偽一揆" ()おごすてけれ()。」


 "はて……初めて聞きますな。その言葉は"


「一揆のふりば(/\)すだげでい。他国者()(たが)らせ、領内で反旗()翻す。兵()もって征するどごろ、この為信が単身で乗り込み話しっこす(/\)。一揆勢は納得すて、おのおの(かまど)()引ぎ上げる。どうだべか(/\)。」


 (はえ)え口調でしゃべっ(/\)た。()まったせいが、わん()つか()すっきり(あずますく)なった表情()()ちゅう()


 ……一ヶ月ほど(めえ)、相川西野の乱が鎮圧されたばり。支配者層は一揆の類()敏感になってら()。そこで手柄()立てれば、為信の力()認めるびょん()


「確かに私が呼びかければ、ここらの者らは一揆をおこすやも。しかし為信様。我らにとっての得はありますかな。」

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