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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
石川高信、病没 元亀一年(1570)春
25/105

鉄砲との出会い 4/5

 “それは真だが”


 理右衛門はたいそう(たんげ)軽やかであった。


 「はい。為信様は、鯵ヶ沢の警護()強化すてけた。これはほんのお礼です。」


 為信は身()乗り出すて、理右衛門()請う。


 「火縄()こごさ(/\)持ってきてけ。」


 手代は火縄を、布さ何重にも包まれた状態で、までえ(_/)に抱きかかえで持ってきた。そんき(_/)大切な(いだわしい)代物だ。


 厚い布()、一枚一枚ふろげていく。すると真っ(くれ)え筒が現れた。光ば受けて()のに輝き、辺り一面()煙の(うせ)え臭いが立ち込めた。


 為信は手()取る。すばらくずっと眺めた。筒の穴()覗いたり、縄のところ()触れ(ちょし)てみたり。


 「すて()……どう撃づんだば。」


 ここで初めて理右衛門は、困ったつらっこばせた。“それがわがんねくて” と。面松斎も知らねんた。もちろん、手代もだ。


 「為信様のご家来衆でおべでる(ふと)はいねえ()べか()……。」


 なに分、田舎侍の集ま(たが)り……為信のように、たことね(ふと)大勢(わったと)いよう。……いるか。小笠原だば()どん()だべ()か。


 翌日、為信は面松斎()連れ(かで)て小笠原の元を訪ねた。科尻と鵠沼もいる。小笠原()火縄は撃てるかと問うど、こくりと頷い(こまっ)た。全員、庭()でる。


 科尻はわん()つか()欠けちゃあ不要な(いらね)茶碗()用意し、(とお)けの台の上()置いた。鵠沼は筒以外にも必要なものがそろってらか()確認すた。


 さで、小笠原はまったくしゃべ()らず()支度()始める。筒()付いてあった(なげ)え木の棒()外す、火薬と弾()筒の中()押す込めた。手元にある火皿と呼ばるちっちぇな隙間()、口薬ば入れる。縄()()つける。


 ズリズリと音ば(/\)立て……火蓋()切る。弾は一瞬で飛んだ。


 茶碗は、砕け散る。


ご協力してくださった方です。ありがとうございました!


津軽弁MC たろっく

@tsugarujuku017

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