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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
鹿角合戦 永禄十二年(1569)秋
20/105

南部の跡継ぎ 4/5

 家来衆とは違い、兵らは為信のしゃべる事()よく聞く()。きっと偽一揆のことあったはんで()。戦が長引くとこさ、話す合いにかってあっちゅう間に解決すてまる(/\)。その手腕は、(さんび)さと共に身さ()染みてら()


 為信の後ろ()、兼平や森岡も続く。信直の兵は大浦兵の後ろ()位置する。まるで大浦が信直()守るかのようだ。


 太陽がまんだ(たけ)えころに出陣すた()ため、日っこ暮れる(めえ)に目的地()到着。長牛城の東側、ブナ生い茂る山()身ば()ひそめた。ひたすら(くれ)くなるん()待つ。


 

 ……日っこ暮れる。梟は鳴く。花輪と高倉山の両軍は城()目指す。九戸は伏兵()はけらせた。

 

 北と東から兵が城さ(/\)攻めよせる。対する長牛の敵兵は丘の草むらに兵()めで(/\)あったらすく()、その中で戦いが始まった。


 その様子()山から見定める。


 


  信直は、小鞭ば振り下げた。


 為信らは、鬨の声()あげねえで、静かに進んだ。……城からは明かりっこが漏れてえる。松明()焚いてら()横では、敵兵らが外()警戒すてら。……ただす、数はわん()つか()だ。丘さ兵士が割かれてらはんで()


 

 攻め込む。


 ほら貝()吹き、門さ(/\)向かって兵は()ける。敵は弓ば(/\)手さ取り、矢()射る。空気の震える音っこは、(ちけ)くに眠る鳥ら()一斉に羽ばたかせた。

 ……丸太()持った兵らが門()体当たり()する。扉はいともあっけねく打ち破られた。邪魔する兵士は次々に倒されてく。

 

 櫓からは名のある将だべか()。指揮棒()片手に下の兵ら()指示()だ|すてら。“逃げるな進め” “敵はすぐそこぞ”

 次第に居ても(/\)立っても居れねく()なって( ̄\)、将は櫓から梯子で降りてきた。太刀ば(/\)抜き、敵さ(/\)向かってく。

 

 そこへ小笠原は勝負()挑む。名の知らぬ将は、“うるせえ” と彼の槍()手に取り、横さ(/\)押すのける。小笠原は一旦下がり、まんた突く。

 敵は心()決め、対決することば(/\)選んだ。彼の太い胴体ばめがけ、突進する。太めの体ながら小笠原はそれば(/\)軽くかわす、今度は槍()短めに持って、まんだこちら()敵さ(/\)挑む。


 ……槍先は、名の知らぬ将の腹ば(/\)貫く。


 脇差すば(/\)()取り、首ば(/\)とる。手ば()伸ばす。高々に掲げた。普段は無表情だばって()、この時ばかりは明るい。


 

 皆、小笠原の手柄()認めた。

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