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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
鹿角合戦 永禄十二年(1569)秋
18/105

南部の跡継ぎ 2/5

 信直らは花輪の陣中()戻った。為信ら諸将は石川兄弟の(がわ)りに(たが)る。席()ねまることねくその場で信直()囲み、立ち話()始めた。


 石川家筆頭家臣の大光寺は、つらっこ()すかめる。


「……大変なごどさなったんた。」


 信直は言葉ば返す。


「これで決着()づげでまる()どは……豪快な大殿らすい()。」


 ひやりとすた汗、信直の頬()伝う。(おんじ)の政信はしゃべっ(/\)た。


「だばってろ……父上はわがってるんだべか()。」


 信直は口ば(/\)とがら(_/)かす()


「うむ……。」


 “もしかして、父上(とっちゃ)は邪魔なんだが”


 “……確がに、父上(とっちゃ)のいるめえではあった(_/)ごどば(/\)しゃべれね”


 “……どうすべ”


 皆、悩みこむ。そった中、大光寺はある提案ばすた(\/)


夜駆げ(/\)だべ()かな。」


 “九戸()手柄()どられるめえに、城を落とすすかね(\/)


 “その実、あちらも同じんだごどば(/\)(かんげ)でら()やも”


 (かんげ)えてると突然、信直は閃ぐ。話す合いの輪()抜げ、陣中の上座()腰ば(/\)下ろすた。そすて(がわ)りに(さか)ぶ。


「おい、地図()持ってごいへ。」


 政信は家来からでったら(/\)布さ(/\)描かれてら地図()渡されると、それを持って信直の隣()()げ寄った。手前の机()布ば(/\)広げる。諸将は信直の(がわ)りに集ま(たが)って、立ったまま地図()眺める。


「……北や東がら攻め入るんだば、この丘がまねびょん()。」


 信直は指さす。その丘の草むら()避けてみでも、小川が城ば(/\)囲んでら。さらには乗り越えたところで、城へと()け上がる目前の土堀。矢じりが私達(わたち)へ向く。敵にとってたんげ(/\)守りやすいびょん。

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