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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
鹿角合戦 永禄十二年(1569)秋
17/105

南部の跡継ぎ 1/5 +石川城絵図

 その年の秋は豊作だった。南部軍は兵糧不足をすることねく、予定通り羽州の鹿角()兵ば()進めた。


 津軽からは郡代石川高信の次男石川政信が大浦為信ら含む総勢五千()率い(かで)て、途中で長男の田子信直二千と合流す、七千花輪()布陣。糠部からは当主の南部晴政自ら出陣す、九戸兄弟ら含む総勢六千は高倉山()布陣すた。


 鹿角の長牛城からて花輪は北さ(/\)、高倉山は東()位置する。二方向から攻める体制が築かれたのだ。


 長牛城は鹿角の重要な拠点だはんで、(_)ったら(/\)だ土堀で囲ってら()ただす( ̄\)南部安東両氏の取り合いが続き、すっかり(/\)としちゃあ()防衛機能ば固めきれてね。だはん(/\)で城主である大高氏はすぐさま、主君である安東氏()援軍()要請。まだ姿っこ(_/)現すてねばって()、最低でも五千以上の兵()率い(かで)てくのでねがと(/\)()われた。


 南部軍各々布陣すた次の日、早速軍議が高倉山で開かれた。花輪()布陣する田子信直や石川政信は勿論、末席に為信もいた。 


 このたびの戦に郡代石川高信は出陣すてね(/\)。公には津軽さまなこ()光らせておくためとされたが、実のところ体っこの具合あんべへずね(/\)。肝の臓がやられてら()との噂であった。


 天候は快晴、秋ではあるがそったら(_/)(さん)びくね頃合いだ。山の上ではすでに色付き始めてら。


 諸将は陣中にて椅子()座す。上座の晴政より右手()糠部勢、左手()信直らが並んでら。ここで晴政は、ある宣言ばすた(\/)


 晴政はしゃべる(/\)


「戦で領国()(ふろ)めるのは、もちろん私達(わたち)(つえ)ぐなるどいうごど。大変喜ばすい()。」


 皆、静まり返っちゅう()。鳶の鳴き声もでっけく(/\)聞ける。


「だが、内憂()ねくす(/\)のも大切なごどだ。……こご数年、お(めえ)らはいがみ合ってぎだ。」


 並びの先頭()座るのは田子信直と九戸実親。両者とも晴政の娘婿(もこ)であり、男子(わらし)のいね晴政の後継候補だ。


 晴政は(つえ)く、でったら(/\)に声を発すた。


「城主の首()どった方さ、跡継ぎば(/\)決めようでねが()。」


 皆、二人さ注目する。初めに信直口ば(/\)開く。


わがり(_/)申すた。大殿の名さ恥ずぬよう、手柄()だでで( ̄\)参るべ( ̄\)。」


 続いて実親も、意気揚々としゃべる(/\)


「安東の援軍来る前に、かだば(/\)づげで()御覧さ入れましょう。」


 両者は言葉を発すた後、互いのつら()睨みあった。



石川城絵図

https://18782.mitemin.net/i290574/

挿絵(By みてみん)



2018/02/15  挿絵に関して


出典元:特集 津軽古城址

http://www.town.ajigasawa.lg.jp/mitsunobu/castle.html

鰺ヶ沢町教育委員会 教育課 中田様のご厚意こうい(あずか)りまして掲載が許されております。小説家になろうの運営様にも、本文以外でのURL明記の許可を得ております。


光信公の館

〒038-2725

青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字種里町字大柳90

http://www.town.ajigasawa.lg.jp/mitsunobu/

TEL 0173-79-2535


鰺ヶ沢町教育委員会 教育課

〒038-2792

青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字本町209-2

TEL 0173-72-2111(内線431・433)

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