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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
鹿角合戦 永禄十二年(1569)秋
15/105

他国者とは 4/5

 小笠原は新すく()為信の家来さ()なった。だばって他国者だとこで、家来らの反発はのっつど(/ ̄)ある。“どごぞの骨さ(/\)禄ば(/\)ける()気が” “為信は()かんがえちゃん()だな”


 特に、森岡は為信に詰め寄ってきた。


 「こった(_/)かちゃ()くちゃ()()して()……殿はこれまでの殿らすく()、黙って御座にいればいのだ。」


 為信はしゃべり返す。


 「飾り物だばって、“殿”は“殿”だ。決すて()曲げん。」


 無理やり押す通すべとす。これは重大な約束事なのだ。対すて森岡は怒鳴る。


 「やっていごどど、まね()ごどが(_)あるべな。」


 二人は(つら)(つら)(ちけ)づける。一触即発とはこのことか。


 あわてて、家来の兼平が止めに()る。二人ば引き離し( ̄\)、落ち着かせようとする。


 実は、この兼平という男。(さきた)の陣中さは参加すてね(/\)。留守役とすて大浦城()守ってら。だばって為信の活躍()()てね。


 ただす他の家来や兵士がら伝え聞きくことより、“本当はちからっこあるのでは” ()い始めてらった。力があるんだばお飾りの婿といえど、大浦家の為に才覚()発揮すてほすい。そう(かんげ)えた。


 兼平はしゃべる。


「だば、こうすべ。」


 二人は兼平ば()る。


もす()、次の戦で小笠原殿手柄ば立でれば、そのまま家来どすて(_/)つかう。為信様の目にも狂いがねがった。」


 手柄がねかったら……


「小笠原殿は大浦家がら出でけれ。」


 その時は、為信の立場は以前のように戻る。


 森岡は渋々承知すた。為信もそれば(/\)受け入れた。……ここは小笠原を信ずるすかね(\/)。あの万次の選んだ男だ。期待すてら(/\)った面松斎は来ず、つまる所それ以上の活躍ばするということ。


 ……その小笠原はというど、言葉()滅多にしゃべらず(/\)、ただひたすら槍の腕()磨いでら。


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