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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
鹿角合戦 永禄十二年(1569)秋
14/105

他国者とは 3/5

 理右衛門は答えた。


 「“敵ば作んね()ごど(_)だべ()かな……」


 彼は、持ってら湯呑()茶托()戻すた。


「……商売は、相手()嫌われるどやって()いげね(/\)(わあ)の仕事は、交易にかってもだ()される()様々な商品()、多ぐの方々()売るごどだ。肝心要は……こぢらが一歩引いで……実ば(/\)取るのだ。」


 ”……町ば(/\)荒らされるのは一大事。お客様が飢えで()まるの(/\)も一大事。幸いにも、万次殿は分()わぎまえでおられます。……決すて取りすぎるごどば(/\)すね()(わあ)()まねく()せば()、元も子もねえ”


 理右衛門はそうしゃべる(/\)と、ニコリとほほ笑んだ。為信は腕組みば(/\)すた()まま。だまって(ふと)づ、頷く(こまる)


 「それに……これはあぐまで私情だばって( ̄\)。」


 ん。為信は頭ばあげる。


 「万次殿のあらん(/\)どさは、わったど(/\)他国者がおります。しげ(_)ねく()あさいでぎだ()のもあり、船さ乗ってくるふともあり……。」


 “奴隷もいるとこで”


 為信は一気にまなこば開いた。それは真かと問う。


 「はい。こごらの(ふと)の中の、常識だはんで。」


 驚いちゃあ()為信()しり目に、理右衛門は飲み干すてら()()()注ぎ足すた。平穏そのものだ。


 奴隷は……戦争で生まれる。どこかの国がどこかの国()攻め入り、捕虜さす()。彼らばふと足り(_/)国さ(/\)売り、じぇんこ(_/)()替える。ほかには貧民がわらし(_/)ば売って、生計()立てる場合もある。


 「……その奴隷()買い取って、自由の身()してら(_/)のが万次殿よ。」


 奴隷だった(ふと)たちは感謝す、残りの人生()万次のため()捧げると誓うという。それが “万次党” の強さだ。


 為信はいっそうおも(_)やむ()はだす(/\)て万次はいいふとなのが、まねふとなのが。……型さ(/\)決すてはまんね(_/)


関わりました編集者様です。ありがとうございます!


だっじ@etcSORA

@SoraikeYoh

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