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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
鹿角合戦 永禄十二年(1569)秋
12/105

他国者とは 1/5

 梅は咲く。その薄い花びらっこは、潮風でひらりと舞い落ちる。池の水()浮かび、鯉の餌だと勘違いすて口ば(/\)開ける。この有り様はどんき平和な(あずましい)ことか。

 ここは鯵ヶ沢、津軽きっての港町。大浦家が種里城()本拠()置いてあったころより、までぇ(_/)に保護すてきた。種里より赤石川()下れば、かの地()つながる。……港から得られるじぇんこ(_/)がっぱ(_/)どある。


 南部氏は代々大陸的な統治志向で、海()まなこ()向いてね。そった(_/)中でも大浦家は、海洋的な性格も持ち合わせてら。かつてこのあたりは安東領であったためか。


……船問屋、長谷川理右衛門の屋敷(かまど)。為信はお礼()ゃべり(/\)に彼の元()訪ねてら。新たなる家来と会うためでもあった。三人はござ()座りながらしゃべる(/\)


 家来は口を開く。


 「……小笠原と申す。」


 この恰幅のいい男。万次は”ごやづが()いいべ()”と、理右衛門()預けた。為信は小笠原()問う。


 「出身はどごなんず。」



 「……信州深志です。」


 小笠原は愛想が(めごく)ねというか、……表情()がねえ(/\)


 理右衛門は微笑みながら言葉っこば加えた。


 「寡黙ばって( ̄\)ろ、真面目な男ど伺っちゃあ()よ。小笠原殿()加え(かで)で、科尻ど鵠沼と申す(ふと)も小笠原殿さ付げでけれどしゃべってら。」


 「では、その二人も信州が。」


 「はい。武田がら逃げでぎだけやく()だど。」


 武田のう……。日の本で一番(つえ)え大名だ 「んだ()、小笠原。下がってけれ。」


 小笠原は一礼をし()、襖を閉めてけへる。為信は息っこ(_/)ばついた。彼のことは哀れだとも()えたが、偽一揆での出来事……簡単に感情()入れるのできねくなってら()


 「なあ……理右衛門よ……。」


 お()は、他国者ばどう()う。


関わった編集者です。ありがとうございました!


津軽弁MC たろっく

@tsugarujuku017

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