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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
偽一揆 永禄十二年(1569)正月
11/105

岩木山、雪の陣 5/5

 伝令は、大声で(さか)ぶ。


”石川様、三千の兵()率いでご着陣”


 為信も慌ててまり()眠気(ねぷけ)など覚めて()まった(_)。家来衆総出で(むけ)える。


 石川高信公……老齢ではあるが、まんだ衰えば()()せず。(なげ)えあご髭()蓄え、古代中国の関羽を()わせる。

 陣中()彼は家来()引き連れ(かで)()る。為信は上座()差す出す、下さ(/\)頭っこさげる。高信は“んだか” と相槌し、席()座る。(がわ)りの(ふと)らに眼()光らせた。


 高信はたんげ(ひけ)けえ声っこで問う。


 「戦況は。」


 森岡が答える。


「はい。ついさきた(/\)和っこ成り、一揆勢は今夜(ばんげ)中に引ぎ上げます。」


 “おおっ” と高信の引き連れ(かで)できた(ふと)らは驚きの声()あげた。だばって、高信はしゃべった(/\)


「こんだけで済むかして()。」


 “……一度、反旗()翻すた(ふと)は二度三度どやるものだ。そうだば、今をもって平らげるのがいので()ねが()


 為信は呆然とすた。……いや、ばふらっ(/\)すては()られね()口ば(/\)開くとすばって、森岡はだまって首ば(/\)振る。だばって高信は為信さ気付く。


「何があんだが。しゃべりへ。」


 鼓動は激すさば増す。”……いやまで、こんばやく()なんな。なんな、なんなよ……”




「……信なぐば立だず。……(わあ)は民ど約束すたのだ。こごで不意打ぢば()がげれ(/\)ば、()たちの信用()ねくす(/\)、引いでは南部の今後()響ぎがねね。……どうかご容赦を。」


 ”……よす、落ぢ着いでしゃべれ(/\)た”


 高信は彼()凝視する。その鷹のような鋭いまなこ、為信は抗うことのできねネズミ一匹。


 「……(わあ)(かんげ)えでらぞ。相川西野の乱が平定されだばり、そすて今度の事。聖域どで、徹底的にやるべぎがど()ったがな。珍すい()奴。」




 “(わあ)に意見するんたは……。んだ、大浦の領内での事だ。引ぎ上げるべ”

協力してくださった編集者です。ありがとうございます!


だっじ@etcSORA

@SoraikeYoh



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