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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
番外編
103/105

津軽藩起始 浪岡編より 終末 第一話

 北畠顕村は商家(あきんど)長谷川の(ふと)らや賭け場の仲間(けがぐ)()助けた。それも己だけの一存で。確かに顕村は浪岡の御所号という立場だし、つまりは一番(えれ)人物(ふと)だ。だがその(かんげ)えっこ(あめ)く、学は(ふと)以上に積んでら()んだばって()(なん)知らね(/\)温室育ちですか(\/)ね。


 当人にとっては仲間(けやぐ)()助けたことは善きことであって、民の出自はどんだ(_/)身分はどんだ(_/)ばと差別すね()(わあ)たんげ(/\)素晴らすいと考えてら()。純粋にそう()ちゃあ()だはん(/\)でこそ亡き顕範が彼ら(あらんど)()摘発すたことは、賭け場()潰すというより、一種の “差別” によるもん(/\)ねえか(/\)とも(かんげ)えだ。下賤の(ふと)らば()排除する意味で。そすて賭け事自体はまね()ことでね(/\)く、下々の(ふと)と寄り添うわった(_/)いいツール、さらには一緒に(かでて)混ざって遊ぶ(わあ)自身は、下々の(ふと)()積極的に理解するべと(/\)するたんげ(/\)いい人物(ふと)だということにいつすか変わっちゃあ()


 ただすそれらの意識や(かんげ)えさ則るだば()、むったど(/\)上下という分け方があるんた。その事実()顕村は気付かね。上が下()対し尽くすべという姿勢。その裏()自分(わあ)は上の人間(ふと)であり、他人は下という絶対条件があった。だが残念だばって()自分(わあ)が賭け事()嵌ってらという事実、上の(ふと)だば()本来は教え(しかへ)導く立場であり己の身()律するべきなんずに、こった(_/)頽落。


 学だけはあるとこで、顕村にはこった風に(かんげ)えることのできる力っこはあるろ。さらにはその力っこで、今の状態()正当化することもできた。飛躍す(はんずえ)だ論理()美辞麗句で並び立て、今いっそう賭け事()のめりこむのだ。下の穢れた遊びさ興ずてら()、上さ立つ(ふと)。あくまで下の(ふと)の暮らすっこ学んでら()だけ。


 そすてさきた(/\)賭け場仲間(けやぐ)()助けた。結果とすて牢()開ける際に正体がバレたばって、そえでも行く(あんべ)いらね(/\)もんば省いで理由(わげ)っこしゃべる(/\)だば、“賭げ事ばすた(\/)はんで()賭げ場()行ぐ” のだ。


 ……今夜は久すぶりに開がれるべな(\/)。吉町()自ら誘い、商家(あきんど)長谷川の裏手()向かう。



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