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方言版 津軽藩以前  作者: かんから
大光寺の戦い 天正四年(1576)正月
101/105

天地否 5/5

 沼田は訝すむ。


 「ええ……それは、次の計略が成功するかどうかでございましょうか。」


 為信は首ば(/\)振る。身()乗り出す、耳元でしゃべっ(/\)た。


 「……(わあ)が、地獄()落ぢるが否が(/\)。」



“いや……のような占いは初めてです”


だべな(\/)


 沼田はその場から退き自室()戻る。すばらく蓋がされてら()、埃っこかぶる八卦の道具。あけ放つと、古めかすい()匂いが(がわ)りさ(ふろ)がる。


 占いっこ始まる。筮竹()持ち……為信は竹のこすれちゅう()音ば(/\)聞く。


 …………




  本掛、天地否。


 本来の意味で()えば “停滞” ()意味す、”あせらずゆったど(/\)やるべ” と声()かけるんだばって()


 この場合だば()……天さ昇ることね(/\)く、地獄()()ることもできね(/\)、ただ世間()漂う幽霊。


 為信は、がっぱど(/\)笑った。腹がはち切れるんた()くれえに。


「世()未練だらだらで、彷徨い続げるんだべ()。」


 沼田は “もしや” と感ずた。為信()なんとか落ち着かせる。


「これにはもう一つ、考え方がございます。」


“地蔵菩薩こそ、そうです。天や地獄でもない。人間界に在り、衆生をお救いなさる……”


 “では、(わっ)きゃ神仏()化すと”


 “はい。魂は常世に残り、津軽を守り続けるのです”




  そった(_/)ごど(_)あるはずねえべ(/\)と、為信はあざげだ。

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